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「アナフィラキシー 、 エピペンの使い方」、迷わず打つ
Vol.457救急

「アナフィラキシー 、 エピペンの使い方」、迷わず打つ

エピペンの適応・使用手順・打った後の流れを保護者向けに解説します

救急・・・5
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 4·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • アナフィラキシーは2臓器以上の症状で診断
  • エピペンは大腿外側にためらわず筋注
  • 使用後は必ず119番、一度で終わらないことも

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.457

「アナフィラキシー 、 エピペンの使い方」、迷わず打つ

今号のポイント

  1. 2
    アナフィラキシーは2臓器以上の症状で診断
  2. 4
    エピペンは大腿外側にためらわず筋注
  3. 6
    使用後は必ず119番、一度で終わらないことも

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

食物アレルギーのお子さんを持つご家族にとって、エピペンは命綱です。でも「いつ打つか」「どう打つか」に自信がないと、いざという時に使えません。今回は具体的な手順を整理します。

アナフィラキシーとは?

WAO(世界アレルギー機構)の定義 [1]:

基準
アレルゲン曝露後、急速に進行する全身反応
皮膚・粘膜+呼吸器/循環器/消化器の症状
もしくは2臓器以上の系統的症状
もしくは血圧低下・意識障害

つまり「症状が2つ以上の臓器に出たらアナフィラキシー」と覚えると分かりやすい。

ポイント

  • 2臓器以上で診断 [1]
  • 急速進行が特徴
  • 経過時間も重要

エピペンを打つタイミング

打つべきサイン臓器
呼吸困難・喘鳴・咳呼吸器
顔面蒼白・ぐったり循環器
意識が遠のく神経
全身蕁麻疹+嘔吐皮膚+消化器
強い腹痛+全身蕁麻疹消化器+皮膚
喉の詰まり・声がれ上気道
⚠️「様子を見よう」は危険

症状が悪化してから打とうとすると間に合いません。2臓器に症状が出たら迷わず打つことが推奨されます [2]。

ポイント

  • 2臓器症状で即使用 [2]
  • 様子を見るより打つ
  • 時間を失わない

エピペンの使い方(4ステップ)

順番行動
1青いキャップを外す
2オレンジ側を太もも外側に強く押し当てる
3カチッと音がするまで押し付け、5秒保持
4大腿からエピペンを離す
重要ポイント
服の上からでもOK(厚手のジーンズもOK)
大腿外側(外側広筋)に打つ
オレンジ側が針側
針を見てはいけない(持つ手側)
使用時刻を記録
💡「オレンジは足、青は空」

オレンジ側が足側(太もも)、青いキャップが空(上)と覚えると間違えません。

ポイント

  • 大腿外側に筋注
  • 5秒押し付け保持
  • 服の上からでOK

打った後

順番行動
1119番要請
2仰向け+足を高く(ショック体位)
3呼吸苦があれば半座位
4嘔吐時は横向き
5反応悪化時は2本目を5-15分後に
6救急隊に投与時刻を伝える

一部の症例で二相性反応(数時間後の再発)が起こります。報告により幅がありますが、最近のメタ解析では概ね5〜10%前後、多くは8時間以内の再発です [3]。医療機関での数時間の観察は必須です。

⚠️急に起こさない

急な起き上がりは血圧低下を招きます。救急隊到着まで寝かせたまま。

ポイント

  • 119番は必須
  • 仰向け+足高く
  • 2本目の可能性も [3]

エピペンの保管と期限

項目内容
保管温度20-25度(15-30度の範囲で一時的逸脱は可)
直射日光避ける
冷蔵庫NG
使用期限製造から約12〜18か月(ロットで差あり)
期限確認3か月ごと
携帯常に2本

期限切れでも「打った方がマシ」な場面では使用可能です(WAO勧告) [1]。

ポイント

  • 常温保管
  • 期限確認を習慣に
  • 常時2本携帯

学校・保育園との連携

連携内容
個別アクションプラン(食物アレルギー対応マニュアル)
エピペン預けの合意
緊急連絡先リスト
先生の研修
誤食時の手順書

日本では「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」により、教職員がエピペン使用可能と明記されています [4]。

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

外来でエピペンを初めて処方するご家族には、私は必ずデモ用エピペンで練習してもらいます。頭で理解していても、手が動かないと意味がないから。先日、卵アレルギーのお子さんのご家族が「教えてもらった通りに打てました」と連絡をくださり、お子さんは無事でした。練習は命を守ります。

ポイント

  • 個別プランを作成
  • 教職員も使用可 [4]
  • 練習が命を守る

まとめ

  • 2臓器以上の症状で即エピペン
  • 大腿外側にためらわず筋注
  • 使用後は必ず119番
  • 二相性反応に備えて観察入院
  • 常時2本・期限確認・練習

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  • Vol.455「蜂に刺された」
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愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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