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「オットセイのような咳が出ます」、クループ症候群
Vol.199呼吸器

「オットセイのような咳が出ます」、クループ症候群

クループ症候群は犬吠様咳と吸気性喘鳴が特徴。夜間に悪化し、通常3〜5日で改善する

呼吸器全年齢5
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • 犬吠様の咳が特徴的
  • 夜間に突然悪化する
  • 通常3〜5日で改善

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.199

「オットセイのような咳が出ます」、クループ症候群

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

クループ症候群は、喉頭(声帯のまわり)の炎症で起こる病気です。ケンケンという犬吠様の咳と、息を吸うときのヒューヒュー(吸気性喘鳴)が特徴。生後6か月〜3歳に多く、夜中に急に悪くなります。今回はその対応をまとめます。

Q1.「クループ症候群とは?」

——夜中に突然、変な咳が始まりました

クループは、ウイルス感染による喉頭(声帯の周辺)の腫れで起こります [1]

基本情報詳細
好発年齢生後6か月〜3歳(ピークは2歳)
原因パラインフルエンザウイルスが最多(約75%)
季節秋〜冬に多い
特徴夜間に突然発症・悪化
経過通常3〜5日で改善
クループの3大症状
①犬吠様咳嗽(ケンケンという咳)
②嗄声(声がかれる)
③吸気性喘鳴(息を吸う時のヒューヒュー音)

ポイント

  • 犬吠様の咳が特徴的
  • 夜間に突然悪化する
  • 通常3〜5日で改善

Q2.「家庭でできる対応は?」

——夜中に始まった場合、何ができますか?

以下の対応をしてください [2]

家庭での対応方法
お子さんを安心させる泣くと症状が悪化するため、抱っこで落ち着かせる
上体を起こす横にするより座った姿勢の方が楽
冷たい空気を吸わせる窓を開けて冷たい外気を吸わせると改善することがある
水分補給少量ずつ水分を与える
以前言われていたが効果が証明されていない方法
加湿器やスチーム:エビデンスでは効果が証明されていない
ただし、お風呂場の蒸気で落ち着くお子さんもいる

ポイント

  • まずお子さんを落ち着かせる(泣くと悪化)
  • 上体を起こした姿勢で
  • 冷たい外気を吸わせると改善することがある

Q3.「受診のタイミングは?」

——救急に行くべきですか?

以下の症状があればすぐに受診してください [3]

症状

軽症
犬吠様咳、安静時に喘鳴なし
中等症
安静時にも吸気性喘鳴あり
重症
呼吸困難、陥没呼吸、チアノーゼ

対応

軽症
家庭で経過観察
中等症
受診(夜間でも)
重症
救急(119番)
119番を呼ぶべき状態
唇や顔色が青白い(チアノーゼ)
息を吸う時に胸がペコペコ凹む(陥没呼吸)
よだれを垂らして飲み込めない
ぐったりして反応が鈍い
座っていても息苦しそう

ポイント

  • 安静時の喘鳴は中等症→受診
  • チアノーゼ、陥没呼吸は重症→119番
  • よだれが飲み込めないのは急性喉頭蓋炎の可能性(緊急)

Q4.「クループの治療は?」

——病院ではどんな治療をしますか?

重症度に応じた治療を行います [4]

治療内容
デキサメタゾン(ステロイド)0.6mg/kg(最大16mg)単回内服または筋注。喉頭の腫れを軽減、2〜3時間で効果 [4]
アドレナリン吸入中等症〜重症に使用。即効性があるが効果は一時的(2時間ほど)[4]
酸素投与低酸素の場合
経過観察アドレナリン吸入後は3〜4時間の経過観察が必要

「デキサメタゾンの単回投与が最も効果的です [4]。軽症でも投与することで悪化を防ぎ、再受診率を下げることが示されています。」

ポイント

  • ステロイド(デキサメタゾン)が最も効果的
  • 重症にはアドレナリン吸入を追加
  • アドレナリン吸入後は経過観察が必要

Q5.「クループは繰り返しますか?」

——また同じようなことが起きますか?

繰り返すお子さんが約15%いるという報告があります [5]

再発について詳細
再発率約15%
反復性クループ年に2回以上を繰り返す場合
背景疾患の検討反復する場合は気道の構造異常を検索
年齢とともに改善気道が太くなる3〜4歳以降は自然に減少

「気道が成長とともに太くなるため、3〜4歳を過ぎると起こりにくくなります。」

ポイント

  • 約15%に再発がある
  • 3〜4歳以降は自然に減少
  • 繰り返す場合は気道の精査を

今号のまとめ

  • クループは喉頭の腫れによる犬吠様咳・吸気性喘鳴
  • 夜間に突然悪化。お子さんを落ち着かせることが第一
  • 安静時の喘鳴は受診、チアノーゼは119番
  • ステロイド(デキサメタゾン)が最も効果的な治療
  • 3〜4歳を過ぎると自然に起こりにくくなる

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ご質問・ご感想

「夜中のクループで怖かったです」「繰り返すので心配です」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまの症状についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。

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