愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.430
「おちんちんを触るのが気になります」、性器いじりへの向き合い方
今号のポイント
- 2幼児期の性器いじりは好奇心と自己認識の一過程で正常
- 4叱責や恥じらせる対応は自己肯定感を傷つける
- 6公私の区別を穏やかに教えることが目標
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「うちの子が自分の性器を触るんです。異常じゃないですか?」。外来でとてもよくいただく相談ですが、幼児期の性器いじりは正常な発達行動です。今回は、その意味と対応のコツを整理します。
なぜ性器を触るのですか?
幼児は2歳頃から自分の身体を認識し始め、あらゆる部位に興味を示します。性器も例外ではなく、むしろ刺激に敏感なので自然と注意が向きます [1]。
| 動機 | 説明 |
|---|---|
| 自己認識 | 自分の身体を知る過程 |
| 好奇心 | 目に見える形が気になる |
| 心地よさ | 触ると落ち着く感覚 |
| 退屈・入眠 | ぬいぐるみと同じ自己鎮静 |
| かゆみ | 下着・汗・湿疹が原因のことも |
頻回に触る背景に、亀頭包皮炎・おむつかぶれ・外陰部炎・蟯虫がある場合も。かゆみ・赤みの有無をチェックしましょう。
ポイント
- 幼児期の性器いじりは正常行動 [1]
- 好奇心と自己鎮静が主な動機
- 皮膚トラブルが背景のことも
叱るべきではない理由
幼児期に「そんなところ触っちゃダメ」「汚い」と叱ると、身体や性への否定的イメージが形成される恐れがあります [2]。
| 避けたい反応 | 影響 |
|---|---|
| 叱る・怒鳴る | 自己否定につながる |
| 恥ずかしがらせる | 自尊心の低下 |
| 手を叩く | トラウマ化 |
| 隠すように強要 | 罪悪感の形成 |
WHO/UNESCOの性教育ガイドラインでも、幼児期は「身体を知る」ことを肯定的に扱うよう推奨しています [3]。
ポイント
- 叱責は発達に悪影響 [2]
- 性への否定的イメージは避ける
- 肯定的に関わるのが基本
どう声をかければよいですか?
ポイントは「行動を否定せず、場面を教える」ことです。
| 場面 | 声かけ例 |
|---|---|
| 人前で触っている | 「おうちに帰ってからにしようね」 |
| お風呂上がり | 「自分の大事な場所だね」 |
| 頻回に触る | 「かゆい?見せて」と体調確認 |
| 眠る前 | 絵本を読む・手をつなぐ |
公私の区別(プライベートパーツの概念)を穏やかに伝えることが、長期的には最も効果的です。

おかもん先生より
私の外来でも、「お母さんが叱って隠させていた子が、しばらくしてお腹が痛いと言い出した」という相談を受けたことがあります。原因を探ると、触ること自体を我慢しすぎて緊張が溜まっていた。叱るより、気をそらし、別の安心材料を用意してあげる方がずっと優しい解決策です。
ポイント
- 行動ではなく「場面」を教える
- プライベートパーツの概念を穏やかに
- 叱責より気をそらす
受診が必要なのはどんな時?
次のようなときは小児科・皮膚科の受診を検討してください。
| 受診の目安 | 科 |
|---|---|
| 赤み・腫れ・排尿時痛 | 小児科 |
| おむつかぶれが治らない | 小児科・皮膚科 |
| 夜間のかゆみで眠れない(蟯虫疑い) | 小児科 |
| 強い不安で行動が長時間続く | 小児科・心理 |
| 年齢不相応な性的行動 | 児童精神・専門機関 |
年齢に不相応な性的知識・模倣行動、他児への強要、おびえた様子がある場合は、虐待の可能性も視野に専門機関への相談を。
ポイント
- 皮膚症状・排尿症状は受診を
- 蟯虫・外陰炎が隠れていることも
- 不相応な行動は専門機関へ
家族としてできることは?
| 家庭の工夫 | 内容 |
|---|---|
| 入眠儀式の充実 | 絵本、歌、スキンシップ |
| 遊びの代替提供 | 手を使う遊びを増やす |
| 安心できる環境 | 叱らない空気を作る |
| 性教育絵本 | 発達に合わせた絵本で自然に学ぶ |
ポイント
- 入眠儀式と遊びの代替が有効
- 安心できる家庭環境が最大の治療
- 絵本で自然に学ぶ
まとめ
- 幼児期の性器いじりは正常な発達行動
- 叱らず、場面を教えるのが基本
- 皮膚症状や排尿症状があれば受診
- 性への否定的イメージを避ける
- 不安な行動は家庭の安心で和らぐ
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愛育病院 小児科 おかもん先生
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