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乳アレルギーと診断されたら。代替ミルクの選び方と日常の注意点
Vol.479アレルギー

乳アレルギーと診断されたら。代替ミルクの選び方と日常の注意点

牛乳蛋白アレルギー(CMPA)の診断から代替ミルクの選択、日常管理まで小児科医が解説

アレルギー0〜6ヶ月・6〜12ヶ月・6
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 問収録

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この記事のポイント

  • 牛乳蛋白アレルギーは乳児の2〜3%に見られ、消化器症状や皮膚症状など多彩な症状を呈する
  • 代替ミルクは加水分解乳が第一選択。大豆乳やアミノ酸乳は症状に応じて使い分ける
  • 約90%の子どもが就学前までに自然寛解するため、定期的な負荷試験で解除を検討する

小児科おかもん先生 だより Vol.479

乳アレルギーと診断されたら。代替ミルクの選び方と日常の注意点

今号のポイント

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    牛乳蛋白アレルギーは乳児の2〜3%に見られ、消化器症状や皮膚症状など多彩な症状を呈する
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    代替ミルクは加水分解乳が第一選択。大豆乳やアミノ酸乳は症状に応じて使い分ける
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    約90%の子どもが就学前までに自然寛解するため、定期的な負荷試験で解除を検討する

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「牛乳アレルギーと言われたけれど、ミルクは何を飲ませたらいいの?」「いつまで除去が必要ですか?」。乳アレルギーのお子さんをお持ちの保護者は、毎日の食事に大きな不安を感じていらっしゃると思います。

牛乳蛋白アレルギー(CMPA: Cow's Milk Protein Allergy)は乳児期に最も多い食物アレルギーの一つですが、多くのお子さんが成長とともに飲めるようになります。今回は、診断後の代替ミルク選びから日常管理までをお伝えします。

牛乳蛋白アレルギーはどんな症状が出ますか

牛乳蛋白アレルギーの症状は多彩で、消化器、皮膚、呼吸器の複数の臓器にわたって現れます [1]。

即時型(摂取後2時間以内)

皮膚
じんましん、発赤
消化器
嘔吐、腹痛
呼吸器
咳、喘鳴

遅発型(数時間〜数日後)

皮膚
湿疹の悪化
消化器
下痢、血便、体重増加不良
呼吸器
慢性的な鼻づまり

乳児期に血便が見られる「新生児・乳児消化管アレルギー」は、IgEが関与しない非即時型の反応で、通常の血液検査では見つかりにくいことがあります [1]。ミルクを飲んだ後に嘔吐を繰り返す、血便が出る、体重が増えないといった症状があれば、かかりつけ医に相談してください。

💡母乳育児中のお母さんへ

完全母乳の赤ちゃんでも、お母さんが摂取した牛乳のタンパク質が母乳を通じて赤ちゃんに届くことがあります。症状が疑われる場合は、お母さんの乳製品除去が必要になることもあります。必ず医師の指導のもとで行ってください。

代替ミルクはどう選べばいいですか

牛乳蛋白アレルギーと診断されたら、通常の育児用ミルクから代替ミルクに切り替える必要があります [2][3]。

特徴

高度加水分解乳
牛乳タンパクを細かく分解。第一選択
アミノ酸乳(エレンタールPなど)
タンパク質をアミノ酸まで完全に分解
大豆乳
牛乳タンパクを含まない

適応

高度加水分解乳
ほとんどのCMPA児に有効
アミノ酸乳(エレンタールPなど)
加水分解乳でも症状が出る重症例
大豆乳
6ヶ月以上で大豆アレルギーがない場合

日本で使用できる主な代替ミルク [3]:

製品名分類
ニューMA-1高度加水分解乳(カゼイン)
MA-mi高度加水分解乳(乳清)
エレンタールPアミノ酸乳
ボンラクトi大豆乳

大豆乳については、牛乳アレルギーの乳児の約10〜15%が大豆にも反応するため、必ず医師に確認してから使用してください [2]。

日常生活で気をつけることは何ですか

牛乳は加工食品に広く使われているため、食品表示の確認が欠かせません [4]。

見落としやすい乳成分を含む食品:

食品含まれる乳成分
パン、菓子パンバター、脱脂粉乳
ハム、ソーセージカゼインナトリウム
カレールウ乳成分
一部のだしの素乳糖

「乳」の表示ルール [4]:

  • 「乳」は特定原材料として表示義務がある
  • 「乳化剤」「乳酸菌」「乳酸カルシウム」は乳とは無関係なので安全
  • 「カゼイン」「ホエイ」「乳清」は乳由来なので注意
⚠️乳糖と乳タンパクは違います

乳糖(ラクトース)と乳タンパクは別の物質です。乳糖不耐症と牛乳蛋白アレルギーは全く異なる疾患です。乳糖不耐症は消化酵素の問題であり、アレルギーではありません。混同しないよう注意してください。

いつまで除去が必要ですか

牛乳蛋白アレルギーの予後は良好です。報告によって差がありますが、約50%が2歳までに、約90%が就学前までに自然寛解するとされています [5]。

定期的に食物経口負荷試験を行い、安全に飲める量を確認しながら除去の解除を検討していきます。「必要最小限の除去」が現在の基本方針であり、食べられる範囲のものまで除去する必要はありません [3]。

加熱した乳製品(パンに含まれる程度の牛乳成分など)は、非加熱の牛乳よりもアレルゲン性が低いため、加熱乳製品から段階的に試していく方法が取られることもあります。

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

乳アレルギーのお子さんのお母さんから「給食のときだけ別メニューで、子どもがさみしそうにしている」と聞くことがあります。除去が必要な期間は確かに大変ですが、多くのお子さんが成長とともに飲めるようになります。定期的な負荷試験で「次はここまで食べられるようになった」と一歩ずつ進んでいく過程を、一緒に見守らせてください。焦らず、でも諦めず。

まとめ

  • 牛乳蛋白アレルギーは乳児の2〜3%に見られる
  • 代替ミルクは加水分解乳が第一選択。重症例にはアミノ酸乳
  • 食品表示を毎回確認し、「乳化剤」「乳酸菌」と「乳」を混同しない
  • 約90%が就学前までに自然寛解する
  • 定期的な負荷試験で、食べられる範囲を広げていく

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「こんなこと聞いていいのかな?」というギモンこそ大歓迎です。 外来受診時にお気軽にお声がけいただくか、質問フォームからお寄せください。

次号もお楽しみに。

おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまの症状についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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