愛育病院 小児科おかもん だより Vol.482
港区2026年度 子育て制度の変更点、看護休暇拡大・児童手当・出産費用助成
今号のポイント
- 22025年4月から子の看護等休暇が小学3年生修了まで延長。入卒園式も取得理由に追加された
- 4港区の出産費用助成は実費から出産育児一時金等を差し引いた残り、最大は単胎31万円・双子29万円。子ども医療費は18歳まで所得制限なし
- 6みなと保育サポートは2025年9月から定期利用が無料に。病児保育・ショートステイの緊急活用も
こんにちは。愛育病院小児科のおかもんです。
2025年度は、子育てに関する制度がいくつも同時に変わった年でした。国レベルの法改正と、港区独自の制度拡充が重なっています。
外来でも「何が変わったのか整理できていない」というお声をよく聞きます。今号では、特に使いやすくなった制度を3つの切り口でまとめます。
ご注意:本記事の情報は2026年5月時点の内容に基づいています。制度の詳細・金額は変更される場合があります。最新情報は港区公式ホームページまたは各窓口でご確認ください。
Q1: 2025年4月から、子育てに関する制度がたくさん変わったと聞きました。何が変わったんでしょう?
子の看護休暇というものがあると聞いたのですが、以前と何か違うのでしょうか
大きく4つ変わっています。順番に見ていきましょう。
最もわかりやすい変化は、子の看護等休暇の対象年齢の引き上げです。育児・介護休業法の改正(2025年4月1日施行)によって、これまで「小学校就学前まで」だった対象範囲が、「小学校第3学年修了まで」に延長されました。小1の壁と呼ばれる問題がありましたが、小3まで取得できるようになったことで、少し余裕が生まれるはずです。
取得できる理由も広がりました。以前は子どもの病気・けがへの対応が中心でしたが、改正後は「感染症に伴う学級閉鎖等」「子の入園式・卒園式・入学式への参加」も理由として認められるようになりました。学校行事に参加しやすくなりましたね。
もう一点、勤続期間6か月未満の労働者も取得可能になっています。入社・転職直後に子どもの体調が崩れることはよくあります。以前は要件を満たさず取得できないケースがありましたが、その制限がなくなりました。
2つ目は出生後休業支援給付金(2025年4月新設)です。両親ともに育休を取得した場合、育休給付(賃金日額の67%)に加えて13%が上乗せされます。合算すると賃金日額の80%、手取りベースでは実質10割程度になる設計です。育休中の収入減を心配していたご家庭には、取得の後押しになります。
3つ目は育児時短就業給付金(2025年4月新設)です。2歳未満の子を養育しながら時短勤務をしている場合、時短勤務時の賃金の10%が支給されます。給付のために育休を延長するよりも、職場復帰して時短で働く選択肢が取りやすくなります。
4つ目は2024年10月に始まった児童手当の拡充ですが、港区でも適用済みなので確認しておきましょう。所得制限が完全に撤廃され、3歳未満は月1万5,000円(第3子以降3万円)、3歳から高校生年代は月1万円(第3子以降3万円)が支給されます。第3子の算定に大学生年代(22歳の3月31日まで)が含まれるようになった点も見落としがちな変更点です。支給は年6回(2・4・6・8・10・12月の10日)です。
ポイント
- 子の看護等休暇が小学3年生修了まで延長。入卒園式・学級閉鎖も対象に
- 勤続6か月未満の労働者も取得可能になった
- 出生後休業支援給付金:両親育休で実質手取り10割相当(2025年4月〜)
- 育児時短就業給付金:2歳未満養育中の時短勤務で賃金の10%を支給
- 児童手当:所得制限なし、第3子加算の算定は大学生年代まで
Q2: 港区独自の助成・制度で、いま使えるものは?
医療費助成とか出産費用助成があると聞いたのですが、詳しく知りたいです
港区は子育て支援の水準が高い自治体です。現時点で使える主な制度を整理します。
まず子ども医療費助成(マル乳・マル子・マル青)です。0歳から18歳の3月31日まで、保険診療の自己負担分が全額助成されます。所得制限はなく、通院・入院ともに窓口負担がゼロです。入院時の食事療養費も対象に含まれます。都外の医療機関を受診した場合は、後日申請することで還付を受けられます。
次に出産費用助成です。国の出産育児一時金(50万円)に加えて、港区では出産費用が一定額を超えた場合に区独自の助成が受けられます。仕組みは「実際の出産費用」または「助成金算出上限額」(単胎81万円・双子129万円・三つ子177万円)のいずれか低い方から、出産育児一時金等を差し引いた残りを助成するという形です。1回の出産で受け取れる最大助成額は単胎31万円・双子29万円・三つ子27万円が目安になります。申請には港区に1年以上居住していること、出産日から1年以内に申請することが必要です。産院の請求書が届いたら早めに手続きしましょう。
みなと保育サポートは、生後4か月から就学前の子どもを対象とした区独自の保育サービスです。利用料は4時間未満1,100円、4〜6時間1,650円、6〜8時間2,200円でしたが、2025年9月から定期利用が無料になりました。施設は白金・港南四丁目・東麻布・赤坂・白金台の5か所です。
子育てひろば「あっぴぃ」は区内10か所(麻布・港南・港南四丁目・新橋・西麻布・芝浦・白金台・赤坂・高輪・台場)にあります。LINE予約が24時間受け付けられるので、思い立った時に使いやすい施設です。
認可外保育施設の保育料助成もあります。住民税非課税世帯で保育認定のある0〜2歳の子どもは月最大4万2,000円、3〜5歳は月最大3万7,000円の助成が受けられます。認可保育所に入れなかった場合の経済的な手当てになります。
多胎児・低出生体重児のご家庭には、追加の支援があります。多胎妊婦の妊婦健診費用を14回分を超えた分について、令和8年度は1回5,460円まで助成(妊婦1人あたり5回まで)する制度があり、妊娠中から出産後1年以内の多胎家庭に家事・保育支援も行っています。双子のいる外来患者さんには特に活用していただきたいです。
ポイント
- 子ども医療費助成:18歳まで所得制限なし。入院食事療養費も含む
- 出産費用助成:仕組みは「上限額」と「実費」の低い方から出産育児一時金を差し引いた残りを助成。最大は単胎31万円・双子29万円。居住1年以上、出産後1年以内に申請
- みなと保育サポート:2025年9月から定期利用無料、区内5施設
- 子育てひろば「あっぴぃ」:10か所でLINE予約可
- 多胎家庭:妊婦健診追加分の助成+家事・保育支援あり
Q3: 夜間・急用で困った時、ショートステイや病児保育はどう使う?
子どもが急に具合が悪くなった時や、私自身が入院しそうな時に使えるサービスを知りたいです
緊急時こそ、事前に選択肢を把握しておくことが大切です。いくつか整理します。
病児・病後児保育(訪問型)は、生後57日目以降から小学6年生まで利用できます。ベビーシッターが自宅に訪問して、体調不良の子どもを見てくれる制度です。重要な条件が一つあって、「利用日の前後7日以内に医療機関を受診していること」が必須です。急な発熱でかかりつけに連れて行き、回復途中で保護者が仕事を休めないような場面に使えます。施設型の病児保育は港区内・近隣区にもあります。事前登録が必要な施設がほとんどなので、元気なうちに登録を済ませておくことをお勧めします。
子育て短期支援(ショートステイ)は、保護者の入院・出産・冠婚葬祭・出張等で一時的に養育が困難になった場合に、施設でお子さんを預かってもらえる制度です。対象年齢は施設ごとに異なり、みなと子育て応援プラザPokkeは生後10か月〜中学3年生、麻布乳児院は生後7日〜4歳未満、済生会中央病院附属乳児院は生後5日〜1歳未満です。利用には事前申請が必要で、希望施設・年齢の組み合わせを保健福祉センターに確認してください。
緊急時の相談窓口は子ども家庭総合支援センター「ミナトイク」です。南青山5-7-11にあり、電話番号は03-5962-7201です。育児の困りごと全般に対応してもらえます。どの制度を使えばよいかわからない時も、まずここに連絡してみてください。
給食費については補足しておきます。2024年4月から東京都全23区で給食費の無償化が始まっています。港区も対象で、東京都の半額補助と区の対応で実質無償となっています。入学・入園時に特別な手続きは不要なので、あまり意識していない方も多いと思いますが、制度として継続しています。
学童クラブについては、「放課GO→」が小学1〜6年生を対象に、無料で利用できます。学童機能を持つ「放課GO→クラブ」と組み合わせて使うことで、放課後の時間をカバーできます。申し込みは毎年2月頃に始まりますので、来年度分の申請時期を把握しておいてください。
ポイント
- 病児保育(訪問型):生後57日〜小6まで。前後7日以内の医療機関受診が条件
- ショートステイ:施設ごとに対象年齢が異なる(Pokke 生後10か月〜中学3年生・麻布乳児院 生後7日〜4歳未満等)。保護者の入院・出産・出張時に利用可
- ミナトイク(03-5962-7201):育児全般の緊急相談窓口
- 給食費無償化:2024年4月〜、手続き不要
- 放課GO→:小1〜6年生、無料。学童機能付き「放課GO→クラブ」も