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ワクチンが怖い、不安な親御さんへ
Vol.462予防接種

ワクチンが怖い、不安な親御さんへ

ワクチンへの不安や迷いを持つ保護者に向けて、科学的根拠にもとづく情報と向き合い方を丁寧に解説

予防接種0〜6ヶ月・6〜12ヶ月・1〜3歳・・6
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 問収録

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この記事のポイント

  • ワクチンへの不安は自然な感情であり、正しい情報をもとに判断することが大切
  • WHOはワクチン忌避を世界の健康に対する10大脅威のひとつに挙げている
  • 不安な点はかかりつけの小児科医にそのまま伝えてよい

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.462

ワクチンが怖い、不安な親御さんへ

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「ワクチンの副反応が怖くて打てません」「ネットに怖い情報がたくさんあって迷っています」。こうしたお気持ちを外来で打ち明けてくださる保護者の方がいらっしゃいます。

まず伝えたいのは、不安に感じること自体は決しておかしくないということです。お子さんの体に何かを入れることに慎重になるのは、親として自然な感情です [1]。その不安を大切にしながら、科学的根拠にもとづいて一緒に考えていきましょう。

ワクチン忌避とは何か

WHO(世界保健機関)は、ワクチンが利用可能であるにもかかわらず接種を遅らせる、あるいは拒否する現象を「ワクチン忌避(vaccine hesitancy)」と定義し、2019年に世界の健康に対する10大脅威のひとつに挙げました [1]。

ワクチン忌避には、完全に拒否する人だけでなく、迷いながらも接種を遅らせている人も含まれます。多くの保護者が「打ちたいけれど怖い」という中間地点にいます。

不安の要因内容
安全性への懸念副反応や長期的な影響への不安
情報の混乱インターネット上の不正確な情報
信頼の問題製薬企業や行政への不信感
経験談の影響知人や報道で見た副反応の体験談
病気の実感がないワクチンで防がれている病気を見たことがない

最後の「病気の実感がない」は、実はワクチンが成功している証拠です [2]。病気が見えなくなったからこそ、ワクチンの必要性が見えにくくなるというパラドクスが生まれます。

よくある不安への回答

保護者の方からよくいただく疑問に、ひとつずつお答えします。

不安科学的事実
副反応が怖い重篤な副反応の頻度は数万〜数百万接種に1例。接種しないことによる感染症リスクのほうがはるかに高い [2]
ワクチンの成分が心配ワクチンに含まれる添加物(アルミニウム塩、保存料等)はごく微量で、安全性が確認されている [3]
自然感染のほうがいい自然感染は重症化・合併症・後遺症のリスクを伴う。ワクチンはそのリスクなしに免疫を獲得できる [2]
同時に複数打って大丈夫?同時接種の安全性と有効性は多くの研究で確認されている。免疫系の処理能力は十分 [4]
まだ小さいのに打つ必要がある?乳児期は感染症の重症化リスクが最も高い時期。だからこそ早期の接種が重要 [2]
💡情報源を選ぶことが大切です

厚生労働省、国立感染症研究所、日本小児科学会、WHOの公式情報を参考にしましょう。SNSの体験談だけで判断しないことが重要です。

不安との向き合い方

「打つべき」「打たないべき」という二択ではなく、以下のように段階的に考えることをおすすめします。

  1. 2
    不安な点を具体的に書き出す
  2. 4
    かかりつけの小児科医にそのまま伝える
  3. 6
    科学的なデータを一緒に確認する
  4. 8
    納得してから接種を決める
  5. 10
    接種後も不安があれば相談する

小児科医は、保護者の不安を否定しません。「こんなこと聞いていいのかな」と思うような疑問こそ、外来で聞いてほしいと思っています [5]。

⚠️接種を先延ばしにするリスク

迷っている間にも、お子さんは感染症にかかるリスクにさらされています。特に乳児期の百日咳や麻しんは重症化しやすく、適切な時期に接種することが大切です。

信頼できる情報源

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

以前、ワクチンを一切打たない方針のご家庭が外来にいらしたことがあります。お子さんは当時1歳半。お母さんの表情は真剣で、ご自分なりに調べた結果だとおっしゃいました。そのときは否定せず、麻しんや百日咳の重症例の実際の経過をお話しし、「いつでも相談に来てください」とだけお伝えしました。数か月後、お母さんは母子手帳を持って「やっぱり打とうと思います」と戻ってきてくださいました。強制ではなく対話が、ワクチンへの不安を乗り越える一番の道だと実感した経験です。

今号のまとめ

  • ワクチンへの不安は自然な感情。否定する必要はない
  • 重篤な副反応のリスクは、感染症のリスクよりはるかに低い
  • ネット情報だけでなく、公的機関の情報と小児科医に相談を
  • 「打つか打たないか」の二択でなく、段階的に考える
  • 迷いがあっても、かかりつけ医はいつでも相談に乗ります

あわせて読みたい

  • Vol.461「ワクチンの打ち忘れ・スケジュール遅れへの対応」
  • Vol.460「HPVワクチン、男女ともに接種する時代へ」
  • Vol.466「ワクチン後の発熱への対応」

ご質問・ご感想

「打つかどうか迷っている」「この情報は本当?」。どんな疑問でも外来で遠慮なくどうぞ。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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