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赤ちゃんの血便|原因の見分け方と受診目安
Vol.34救急

赤ちゃんの血便|原因の見分け方と受診目安

赤ちゃんのおむつに血がついたときの原因、肛門裂傷・ミルクアレルギー・腸重積の見分け方と受診目安を解説します。

救急0〜6ヶ月・6〜12ヶ月10
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 10·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • 赤ちゃんの血便の原因は様々。肛門の傷(裂肛)が最も多い
  • 真っ赤な血、ゼリー状、黒いタール便は要注意
  • 元気で機嫌が良ければ翌日受診、ぐったりしていたらすぐ受診

愛育病院 小児科おかもん だより Vol.34

「赤ちゃんのおむつに血が!」、血便の見分け方と対応

今号のポイント

  1. 2
    赤ちゃんの血便の原因は様々。肛門の傷(裂肛)が最も多い
  2. 4
    真っ赤な血、ゼリー状、黒いタール便は要注意
  3. 6
    元気で機嫌が良ければ翌日受診、ぐったりしていたらすぐ受診

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「おむつを替えたら、うんちに血が混じっていました!」、夜間救急でよく受ける相談の一つです。赤ちゃんのうんちに血が混じっていると、保護者の方は本当に驚かれます。

今回は、赤ちゃんの血便の見分け方と、受診のタイミング についてお伝えします。

Q1.「赤ちゃんの血便って、どんな原因がありますか?」

——血便と言っても、いろいろな原因があるんですよね?

はい。赤ちゃんの血便の原因は様々です。緊急性の高いものから、様子を見てよいものまであります [1]

赤ちゃんの血便の主な原因(頻度順):

原因頻度緊急度特徴
肛門の傷(裂肛)便の表面に鮮血が付着。便秘気味の子に多い [2]
牛乳アレルギー低〜中血便 + 嘔吐・下痢・湿疹 [3]
細菌性腸炎発熱 + 下痢 + 粘血便 [4]
腸重積(稀)ゼリー状血便 + 激しい腹痛・嘔吐 [5]
新生児メレナ(稀)生後数日の新生児の黒い血便 [6]

最も多いのは 肛門の傷(裂肛) です [2]。便秘気味で硬い便が出たときに、肛門が切れて少量の血が付くことがあります。これは緊急性は低いですが、便秘の改善が必要です

ポイント

  • 赤ちゃんの血便の原因は様々。肛門の傷が最も多い [2]
  • 緊急性の高い血便(腸重積・新生児メレナ)もある [5][6]
  • 血便の 色・性状・全身状態で緊急度を判断

Q2.「血便の色で、緊急度がわかりますか?」

——血便の色で、危険かどうか判断できますか?

はい。血便の色と性状は、緊急度を判断する重要なポイントです [7]

血便の色・性状と緊急度:

① 鮮紅色の血(真っ赤な血)

特徴:

  • 便の表面に鮮やかな赤い血が付着
  • ティッシュやおむつに少量の血

考えられる原因:

  • 肛門の傷(裂肛) [2]
  • 大腸の下部(肛門に近い部分)からの出血

緊急度: ️ 低〜中

  • 元気で機嫌が良ければ翌日受診
  • 出血量が多い、繰り返す場合は当日受診

② 暗赤色の血・粘血便

特徴:

  • うんち全体に暗い赤色の血が混じる
  • ドロドロした粘液状の血便
  • 「イチゴゼリー様」と表現されることも [5]

考えられる原因:

  • 腸重積 [5]
  • 細菌性腸炎 [4]
  • 牛乳アレルギー(新生児消化管アレルギー) [3]

緊急度: 中〜高

  • 激しい腹痛・嘔吐があればすぐ救急受診
  • 機嫌が悪い、ぐったりしていたら当日受診

③ 黒いタール便

特徴:

  • 真っ黒で、タールやコールタールのような便
  • ネバネバしている
  • 臭いが強い

考えられる原因:

  • 胃・十二指腸からの出血 [7]
  • 新生児メレナ(ビタミンK欠乏) [6]

緊急度: 高

  • すぐに医療機関を受診
  • 上部消化管(胃・十二指腸)からの出血の可能性

特に注意が必要なのは、ゼリー状の血便(腸重積の疑い) と 黒いタール便(上部消化管出血の疑い) です [5][7]。これらが見られたら、すぐに受診してください

ポイント

  • 鮮紅色の血: 肛門の傷が多い。元気なら翌日受診OK [2]
  • ゼリー状血便: 腸重積の疑い。すぐ受診 [5]
  • 黒いタール便: 上部消化管出血。すぐ受診 [7]

Q3.「腸重積って、どんな病気ですか?」

——ゼリー状血便が出たら腸重積の疑いとのことですが、どんな病気ですか?

腸重積は、腸が腸の中に入り込んでしまう病気です [5]。早期発見・早期治療が非常に重要です

腸重積(ちょうじゅうせき)とは?

  • 腸の一部が隣の腸の中に 入り込んでしまう(望遠鏡のように重なる)
  • 血流が途絶えると、腸が壊死する危険 [5]
  • 生後6ヶ月〜2歳に多い [8]

腸重積の症状(3大症状):

症状特徴
激しい腹痛10〜20分おきに繰り返す。泣き叫ぶ → 落ち着く → また泣く
嘔吐繰り返す嘔吐
血便イチゴゼリー様の粘血便(発症数時間〜12時間後に出現) [5]

腸重積を疑うサイン:

  • 顔色が悪い(土色、青白い)
  • お腹が張っている
  • ぐったりしている(泣く力もない)
  • 足を曲げてお腹を抱えるような姿勢
  • 血便(ゼリー状、イチゴジャム様)

腸重積は24時間以内の治療が原則です [8]。時間が経つと腸が壊死し、手術が必要になることもあります。激しい腹痛 + 嘔吐 + 血便の3つが揃ったら、すぐに救急受診してください。ただし、この3症状が全て揃うのは10〜40%程度にとどまり、腹痛だけ・嘔吐だけで発症することも珍しくありません [5]。一つでも当てはまる場合は早めの受診をおすすめします

腸重積の治療:

  • 非観血的整復術(高圧浣腸)[8]
    • 空気や造影剤を肛門から注入し、腸を元に戻す
    • 成功率: 約70〜90% [8]
  • 手術(開腹手術)
    • 浣腸で戻らない場合、腸が壊死している場合

ポイント

  • 腸重積は 腸が腸の中に入り込む病気 [5]
  • 激しい腹痛 + 嘔吐 + ゼリー状血便が3大症状 [5]
  • 24時間以内の治療が原則。すぐ受診 [8]

Q4.「肛門の傷(裂肛)の場合、どうすればいいですか?」

——肛門の傷が原因の場合、家でできるケアはありますか?

肛門の傷(裂肛)は、便秘の改善が最も大切です [2]

裂肛(れっこう)とは?

  • 肛門の粘膜が切れた状態
  • 硬い便が原因で起こることが多い [2]
  • 排便時に痛む → 排便を我慢 → さらに便秘悪化、という悪循環

裂肛の家庭でのケア:

① 便秘の改善

食事:

  • 水分をしっかり摂る(母乳・ミルク・白湯)
  • 食物繊維を増やす(プルーン、さつまいも、りんご、バナナ)
  • ヨーグルト・納豆などの発酵食品

生活習慣:

  • 毎日決まった時間にトイレに座る習慣
  • 無理に排便させない

薬:

  • 浸透圧性下剤(マルツエキス、ラクツロース)[9]
    • 便を柔らかくする
    • 赤ちゃんにも安全
  • 坐薬(グリセリン浣腸)
    • 硬い便が溜まっているときの応急処置

② 肛門のケア

  • 排便後は ぬるま湯でやさしく洗う
  • ゴシゴシ拭かない
  • おしりふきの使いすぎに注意(刺激になる)

裂肛は、便秘を治せば自然に治ります [2]。ただし、繰り返す場合や、血便が続く場合は受診してください

ポイント

  • 裂肛の原因は 便秘 [2]
  • 便を柔らかくすることが最優先
  • 水分・食物繊維・発酵食品を増やす
  • 浸透圧性下剤(マルツエキス)も有効 [9]

Q5.「こんなときはすぐに受診すべき、というサインを教えてください」

——血便が出たとき、どんな状態ならすぐに病院に行くべきですか?

血便が出たときの受診のタイミングをまとめます

すぐに救急受診(119番も検討):

  • ゼリー状・イチゴジャム様の血便
  • 黒いタール便
  • 大量の出血(おむつ全体が血で染まる)
  • 激しい腹痛(10〜20分おきに泣き叫ぶ)
  • 繰り返す嘔吐
  • ぐったりしている(意識がもうろう、呼びかけに反応が弱い)
  • 顔色が悪い(土色、青白い)
  • 生後3ヶ月未満の新生児の血便 [6]

当日〜翌日に受診:

  • ️ 鮮紅色の血が便の表面に付着(元気・機嫌が良い)
  • ️ 血便が繰り返す(1日2回以上)
  • ️ 発熱・下痢がある
  • ️ 機嫌が悪い、食欲がない

様子を見てOK:

  • ごく少量の鮮血(ティッシュに付く程度)
  • 1回きり、その後は普通の便
  • 元気で機嫌が良い
  • 食欲がある

判断に迷ったら、小児救急電話相談(#8000)に電話してください [10]。詳しくはVol.023 夜間受診の判断も参照してください

受診時に伝えること:

  • いつから血便が出たか
  • 血便の色・性状(写真があれば見せる)
  • 出血の量
  • 他の症状(発熱・嘔吐・腹痛・機嫌)
  • 食事・水分は摂れているか

ポイント

  • ゼリー状血便・黒いタール便・大量出血はすぐ受診 [5][7]
  • 激しい腹痛・嘔吐・ぐったりはすぐ受診
  • 少量の鮮血で元気なら 翌日受診OK [2]
  • 迷ったら #8000に相談 [10]

まとめ

  • 赤ちゃんの血便の原因は様々。肛門の傷(裂肛)が最も多い
  • 血便の色で緊急度を判断: ゼリー状・黒いタール便は要注意
  • 腸重積: 激しい腹痛 + 嘔吐 + ゼリー状血便。24時間以内の治療が必要
  • 裂肛: 便秘の改善が鍵。水分・食物繊維を増やす
  • すぐ受診: ゼリー状血便、黒いタール便、大量出血、ぐったり
  • 少量の鮮血で元気なら 翌日受診OK

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