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「頭はいいのに困っている」、ギフテッドと2E(二重に特別な子ども)
Vol.135発達

「頭はいいのに困っている」、ギフテッドと2E(二重に特別な子ども)

- ギフテッドはIQ130以上が一つの目安

発達6〜12歳6
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • - ギフテッドはIQ130以上が一つの目安
  • - 高い能力と困難が共存することがある
  • - 感受性の強さや完璧主義が生きづらさにつながることも

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.135

「頭はいいのに困っている」、ギフテッドと2E(二重に特別な子ども)

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「知的能力は高いのに、学校で困っている」「勉強はできるのに友達とうまくいかない」。外来でこうしたご相談を受けることがあります。こうしたお子さんの中には、高い知的能力と発達障害の特性を併せ持つ「2E(Twice-Exceptional:二重に特別な子ども)」と呼ばれるタイプが含まれます。今回は、ギフテッドと2Eについて整理します。

Q1.「ギフテッドとは何ですか?」

——うちの子はIQが高いと言われましたが、学校でうまくいっていません

ギフテッドとは、同年齢の子どもと比べて突出した能力を持つ子どものことです [1]。日本では明確な定義はありませんが、一般的にIQ130以上(全体の約2%)を目安とすることがあります。

ギフテッドの特徴具体例
知的好奇心が非常に強い年齢不相応な質問をする、百科事典を読む
学習速度が速い一度の説明で理解する、先取り学習
深い思考力抽象的な概念を理解する、哲学的な問い
強い正義感不公平に敏感、ルール違反に怒る
完璧主義間違いを極端に恐れる
感情の強さ喜怒哀楽が激しい、感受性が高い

「ギフテッドは才能だけでなく困難も伴うことがあります。同年齢の子どもとの知的レベルの差や、強い感受性から、孤立感や不適応を感じやすいのです。」

ポイント

  • ギフテッドはIQ130以上が一つの目安
  • 高い能力と困難が共存することがある
  • 感受性の強さや完璧主義が生きづらさにつながることも

Q2.「2E(二重に特別な子ども)とは?」

——2Eという言葉を聞きましたが、何ですか?

2E(Twice-Exceptional)とは、ギフテッドの能力と発達障害の特性を併せ持つ子どものことです [2]

2Eの組み合わせ特徴
ギフテッド+ASD特定分野に突出した知識・能力があるが、社会性に困難
ギフテッド+ADHD創造性が高いが、不注意・衝動性で学校生活に困難
ギフテッド+LD口頭での能力は高いが、読み書きに困難
ギフテッド+DCD知的能力は高いが、運動や手先の作業に困難

「2Eのお子さんは見逃されやすいという大きな問題があります。高い能力で困難を補っている(マスキング)ため、支援の必要性に気づかれないことが多いのです。」

見逃されるパターン状態
能力が困難を隠すIQは高いが、実は読み書きが苦手
困難が能力を隠す問題行動が目立ち、高い能力に気づかれない
両方が相殺「普通の子」に見え、どちらも見逃される

ポイント

  • 2Eはギフテッドと発達障害の併存
  • 能力と困難が互いに隠し合い、見逃されやすい
  • 適切な評価と支援が必要

Q3.「2Eの子どもにはどんな支援が必要ですか?」

——才能を伸ばすのと、苦手を支援するのと、どちらが大切ですか?

両方が必要です。これが2E支援の最も重要なポイントです [3]

支援の方針具体的な対応
①才能を伸ばす得意分野の発展的な学習機会、メンターの確保
②困難を支援する合理的配慮、通級指導、療育
③社会性の支援SST、知的レベルの近い仲間との交流
④心理的サポート自己理解、完璧主義への対処、自己肯定感の維持

「才能だけを伸ばして困難を放置すると二次障害のリスクが高まります。逆に、困難への支援だけで才能を無視すると、意欲が低下します。バランスが大切です。」

ポイント

  • 才能を伸ばすことと困難を支援することの両方が必要
  • どちらか一方だけではうまくいかない
  • 心理的サポートも重要

Q4.「学校ではどんな配慮を求められますか?」

——学校にどんなお願いをすればいいですか?

以下のような配慮を相談してみてください [4]

配慮の内容具体例
学習面発展的な課題の提供、先取り学習の許可
環境面感覚への配慮、クールダウンスペース
社会面グループ活動の配慮、トラブル時の対応
評価面テストの形式変更(口頭回答等)
居場所図書室の利用、通級指導教室

「日本では2022年9月に文部科学省の有識者会議が審議のまとめを公表し、2023年度から支援の推進事業が始まっています。まだ制度化は途上ですが、学校への相談は可能です。」

ポイント

  • 学習面と環境面の両方の配慮が必要
  • 文部科学省も2E支援の検討を開始
  • まず担任と特別支援コーディネーターに相談

Q5.「港区で受けられる支援はありますか?」

——港区にはギフテッドや2Eの支援はありますか?

ギフテッドに特化した公的支援はまだ限られていますが、以下が活用できます [5]

支援の種類内容
通級指導教室社会性・コミュニケーションの個別指導
合理的配慮学校への個別配慮の申し出
教育相談港区教育委員会での相談
児童精神科2Eの評価・診断・心理支援
民間のギフテッド支援NPO等によるプログラム、サマーキャンプ

「2Eのお子さんは、発達障害としての支援(通級、療育、放デイ等)を受けながら、才能を伸ばす機会を別途確保するという組み合わせが現実的です。」

ポイント

  • ギフテッド特化の公的支援はまだ限定的
  • 発達障害としての支援制度を活用
  • 才能を伸ばす機会は民間も含めて探す

今号のまとめ

  • ギフテッドは高い能力と困難が共存することがあります
  • 2Eはギフテッドと発達障害の併存。見逃されやすいのが問題
  • 才能を伸ばすことと困難を支援すること、両方が必要です
  • 学校への合理的配慮の申し出が可能です
  • まずはかかりつけ小児科で発達評価を受けてください

あわせて読みたい

  • Vol.099「自閉スペクトラム症(ASD)の基礎」
  • Vol.101「ADHD(注意欠如・多動症)の基礎」
  • Vol.107「学習障害(LD)の基礎」
  • Vol.133「発達障害の告知と自己理解」

ご質問・ご感想

「うちの子もギフテッドかも」「2Eの支援を探しています」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまの症状についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。

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