コンテンツへスキップ
MINATON
通常学級・通級・支援学級・支援学校の違い、特別支援教育の基礎
Vol.130発達

通常学級・通級・支援学級・支援学校の違い、特別支援教育の基礎

特別支援教育は全ての学校で行われている

発達6〜12歳6
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 6·Q&A 5問収録

プロフィール →

この記事のポイント

  • 特別支援教育は全ての学校で行われている
  • 通常学級の約8.8%が支援を必要としている
  • 合理的配慮は全ての学校で義務

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.130

通常学級・通級・支援学級・支援学校の違い、特別支援教育の基礎

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「特別支援教育」という言葉は知っていても、通常学級、通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校の違いがよく分からない、という保護者は少なくありません。2007年に「特殊教育」から「特別支援教育」へ転換し、すべての学校で発達障害を含む障害のある児童生徒への支援が行われるようになりました。今回は、それぞれの学びの場の特徴を整理してお伝えします。

Q1.「特別支援教育とは何ですか?」

——特別支援教育と聞くと、障害の重いお子さんが対象というイメージがあります

特別支援教育は、障害の有無にかかわらず、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導と必要な支援を行う教育です [1]。2022年の文部科学省の調査では、通常学級に在籍する児童生徒の約8.8%が特別な教育的支援を必要としているとされています [2]

制度の変化
2007年特殊教育→特別支援教育へ転換
2013年障害者差別解消法制定
2016年合理的配慮の提供が公立学校で義務化
2024年私立学校でも合理的配慮が義務化

ポイント

  • 特別支援教育は全ての学校で行われている
  • 通常学級の約8.8%が支援を必要としている
  • 合理的配慮は全ての学校で義務

Q2.「それぞれの学びの場の違いは?」

——通常学級・通級・支援学級・支援学校の違いを教えてください

それぞれの特徴を比較します [3]

学びの場在籍学級サイズカリキュラム対象の目安
通常学級通常学級35-40人標準合理的配慮で対応可能
通級指導教室通常学級個別-小集団標準+個別指導(週1-8時間)通常学級での学習がおおむね可能
特別支援学級支援学級8人以下個別対応個別のカリキュラムが必要
特別支援学校支援学校3-6人自立活動中心専門的な教育が必要

「連続性のある多様な学びの場として、お子さんの状態に合わせて柔軟に選択・変更できることが特別支援教育の重要な考え方です。」

ポイント

  • 4つの学びの場があり、それぞれ特徴が異なる
  • お子さんの状態に合わせて選択する
  • 柔軟な変更が可能

Q3.「合理的配慮とは何ですか?」

——通常学級に入った場合、どんな配慮を受けられますか?

合理的配慮とは、障害のある児童生徒が他の児童生徒と平等に教育を受けられるよう、学校が行う個別的な調整です [4]。2024年4月からは私立学校でも義務化されました。

配慮の例具体的な内容
座席の配慮前の席、刺激の少ない位置
指示の工夫視覚的な指示、個別の声かけ
時間の配慮テストの時間延長、休憩の確保
環境調整クールダウンスペースの確保
学習支援タブレットの使用許可、板書の撮影許可
人的支援支援員の配置

「合理的配慮を受けるには、保護者から学校に申し出ることが必要です。学校と保護者で相談し、お子さんに合った配慮の内容を決めていきます。」

ポイント

  • 合理的配慮は全ての学校で義務
  • 保護者からの申し出で開始
  • 学校と保護者の対話で内容を決める

Q4.「支援学級に在籍すると進路に影響しますか?」

——支援学級に入ると、普通の中学校や高校に進学できなくなりませんか?

支援学級に在籍していたことが、進学の障壁になることは基本的にありません [5]

進路の選択肢説明
中学校通常学級小学校の支援学級から移行可能
中学校支援学級継続して支援を受けることも可能
高等学校支援学級在籍でも受験可能。合理的配慮あり
通信制高校柔軟な学び方が可能
特別支援学校高等部就労支援が充実

「大切なのは、今のお子さんに最適な環境で学ぶことです。将来の進路を心配するあまり、今の学びの環境が合っていないのに無理を続けることの方がリスクが大きいです。」

ポイント

  • 支援学級在籍が進学の障壁にはならない
  • 多様な進路の選択肢がある
  • 今のお子さんに最適な環境を選ぶことが最優先

Q5.「インクルーシブ教育とは何ですか?」

——インクルーシブ教育という言葉を聞きますが、何ですか?

インクルーシブ教育とは、障害の有無にかかわらず、全ての子どもが共に学ぶ教育の仕組みです [6]。日本では、障害者権利条約(2014年批准)に基づき、インクルーシブ教育システムの構築が進められています。

「現在の日本では、『同じ場で共に学ぶことを追求しつつ、個別の教育的ニーズに最も的確に応える多様な学びの場を用意する』という方針がとられています。通常学級での合理的配慮の充実と、通級・支援学級等の専門的な指導の充実を両立させることが目指されています。」

ポイント

  • 障害の有無にかかわらず共に学ぶ教育の仕組み
  • 日本では多様な学びの場を整備する方向
  • 合理的配慮と専門的指導の両立が目標

今号のまとめ

  • 特別支援教育は全ての学校で行われている仕組みです
  • 通常学級・通級・支援学級・支援学校の4つの学びの場があります
  • 合理的配慮は全ての学校で義務。保護者から学校に申し出てください
  • 支援学級在籍が進学の障壁にはなりません。今の最適な環境を選びましょう
  • お子さんの状態に合わせた柔軟な変更が可能です

あわせて読みたい

  • Vol.129「発達障害と就学相談」
  • Vol.131「通級指導教室」
  • Vol.132「放課後等デイサービス」
  • Vol.092「就学時健診FAQ」

ご質問・ご感想

「支援学級か通常学級か迷っています」「合理的配慮をお願いしてよかったです」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまの症状についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。

この記事は役に立ちましたか?

※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

関連記事