愛育病院 小児科おかもん だより Vol.333
「新生児の爪切り」、小さな爪を安全に切るコツ
今号のポイント
- 赤ちゃん用はさみ型爪切りが最も安全で使いやすいです
- 寝ている間に切るのがベスト。爪の白い部分を1mm残しましょう
- ミトンの長時間使用は手の発達を妨げるため避けましょう
こんにちは。愛育病院小児科のおかもんです。
「赤ちゃんの爪が顔を引っかいて傷だらけ…でも怖くて切れません」というご相談をよくいただきます。新生児の爪は薄くて柔らかいのに、意外と鋭く、顔や体を傷つけてしまうことがあります。今号では、新生児の爪切りの安全なやり方をお伝えします。
Q1. いつから爪切りが必要ですか?どんな爪切りを使えばいいですか?
お母さん:生後何日くらいから切り始めればいいですか?
おかもん先生:赤ちゃんの爪はお腹の中にいる時からすでに伸びています。生まれた時点で爪が長い赤ちゃんも珍しくありません。顔を引っかくようであれば、退院後すぐに切り始めて構いません[1]。
爪切りの種類ですが、はさみ型の赤ちゃん用爪切りが最もおすすめです[2]。
メリット
- はさみ型(推奨)
- 刃先が丸く安全、薄い爪に最適
- てこ型(大人用)
- 使い慣れている
- やすり型(電動含む)
- 安全性が最も高い
デメリット
- はさみ型(推奨)
- 慣れるまでやや難しい
- てこ型(大人用)
- 新生児の爪には力が強すぎる
- やすり型(電動含む)
- 時間がかかる
大人用のてこ型爪切りは、薄い赤ちゃんの爪を割ってしまう恐れがあるため避けてください。電動やすりは安全性が高いので、はさみが怖い方には良い選択肢です。
ポイント はさみ型の赤ちゃん用爪切りが基本。大人用てこ型は爪を割るリスクがあるのでNGです。
Q2. 上手に切るコツはありますか?
お父さん:動いて怖いので、なかなか切れません…。
おかもん先生:最大のコツは寝ている間に切ることです。授乳後のうとうとしているタイミングや、ぐっすり眠っている時が狙い目です[2]。
具体的な切り方のポイントは以下の通りです。
- 2赤ちゃんの指を自分の親指と人差し指でしっかり固定する
- 4爪の白い部分を約1mm残して切る(深爪防止)
- 6一度に全部切ろうとせず、2〜3回に分けて少しずつ切る
- 8爪の角は丸くカットする(ひっかき傷防止)
- 10明るい場所で行う(爪と皮膚の境目が見えるように)
起きている時にどうしても切る必要がある場合は、一人が赤ちゃんをあやしている間にもう一人が切る「二人体制」が安全です。
ポイント 寝ている間に切るのがベスト。爪の白い部分を1mm残し、角を丸く整えましょう。
Q3. どのくらいの頻度で切ればいいですか?
お母さん:気づくとすぐ伸びている気がします。
おかもん先生:新生児の爪は大人よりも伸びるスピードが速いです[3]。目安は以下の通りです。
- 手の爪:週1〜2回
- 足の爪:月1〜2回
手の爪は足の爪より伸びが速く、顔を引っかくリスクも高いので、こまめにチェックしてください。「指の先端から爪がはみ出していたら切り時」と覚えておくとよいでしょう。
ポイント 手は週1〜2回、足は月1〜2回が目安。指先から爪がはみ出していたら切り時です。
Q4. ミトンで対応してもいいですか?爪が割れた時はどうすれば?
お父さん:とりあえずミトンをつけておけば安心ですよね?
おかもん先生:ミトンは一時的な対策としては有効ですが、長時間・長期間の使用はおすすめしません[4]。理由は以下の通りです。
- 手の感覚の発達を妨げる:赤ちゃんは手で触れることで世界を認識していきます
- 指しゃぶりの妨げ:指しゃぶりは正常な自己慰安行動です
- 把握反射の発達:物をつかむ練習の機会を奪います
どうしても引っかき傷がひどい場合は、寝ている間だけミトンをつけて、起きている間は外しましょう。
爪が割れてしまった場合は以下のように対応してください。
- めくれた部分をベビー用爪切りで慎重にカットする
- 無理に引っ張らない(出血や感染のリスク)
- 出血した場合は清潔なガーゼで軽く圧迫する
- 赤み・腫れ・膿が出た場合は小児科を受診
ポイント ミトンの長時間使用は手の発達を妨げます。爪が割れたら無理に引っ張らず、はさみでカットしましょう。
まとめ
- 新生児の爪は薄く柔らかいが意外と鋭い(顔を引っかく原因に)
- はさみ型の赤ちゃん用爪切りが最も適している
- 寝ている間に切るのが安全で確実
- 深爪に注意:爪の白い部分を1mm残す
- 切る頻度は手が週1〜2回、足が月1〜2回
- ミトンの長時間使用はNG(手の発達を妨げる)
- 爪が割れたら無理に引っ張らず、はさみで慎重にカット
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