コンテンツへスキップ
MINATON
新生児の睡眠パターン。昼夜逆転、安全な寝かせ方、SIDS予防
Vol.475生活・育児

新生児の睡眠パターン。昼夜逆転、安全な寝かせ方、SIDS予防

新生児の睡眠リズムの特徴、昼夜逆転がいつ治るか、AAP推奨の安全な睡眠環境とSIDS予防策を解説します

生活・育児7
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 問収録

プロフィール →

この記事のポイント

  • 新生児は1日14-17時間眠るが1-3時間ごとに起きる。体内時計は生後3-4ヶ月頃に確立する
  • 安全な睡眠の基本は「仰向け・硬い平らな面・何も置かない」。毛布やぬいぐるみは不要
  • 同室別床(ベビーベッドを親のベッドの横に置く)が最も安全で、添い寝は窒息リスクがある

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.475

新生児の睡眠パターン。昼夜逆転、安全な寝かせ方、SIDS予防

今号のポイント

  1. 2
    新生児は1日14-17時間眠るが1-3時間ごとに起きる。体内時計は生後3-4ヶ月頃に確立する
  2. 4
    安全な睡眠の基本は「仰向け・硬い平らな面・何も置かない」。毛布やぬいぐるみは不要
  3. 6
    同室別床(ベビーベッドを親のベッドの横に置く)が最も安全で、添い寝は窒息リスクがある

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「昼は寝て、夜に起きる」「2時間おきに起こされてつらい」。新生児期の睡眠に関する悩みは尽きませんよね。でも、これは赤ちゃんの脳の発達過程として正常なことです。今号では、新生児の睡眠の特徴と、睡眠中の事故を防ぐための安全な環境づくりについてお伝えします。

新生児の睡眠の特徴

新生児は1日に14-17時間ほど眠りますが、連続して眠るのは1-3時間程度です [1]。昼と夜の区別がないのは、体内時計(概日リズム、サーカディアンリズム)がまだ発達していないためです。

体内時計が機能し始めるのは生後10-12週頃からで、生後3-4ヶ月頃に昼夜の区別がはっきりしてきます [1]。つまり、生後3ヶ月までの昼夜逆転は生理的な現象であり、しつけや環境の問題ではありません。

新生児の睡眠はレム睡眠(浅い眠り)の割合が非常に高く、全睡眠時間の約50%を占めます。大人のレム睡眠が20-25%であることと比べると、新生児がいかに浅い眠りの中にいるかがわかります。このレム睡眠は脳の発達に重要な役割を果たしていると考えられています。

昼夜の区別をつけるためにできること

体内時計の確立を手助けするために、以下のことを意識してみてください。

日中は自然光を取り入れ、生活音のある環境で過ごします。赤ちゃんが寝ていても、部屋を暗くしたり静かにしすぎたりする必要はありません。お散歩も効果的です。

夜間は部屋を暗くし、授乳やおむつ替えも最小限の明かりで、静かに手短に行います。夜の授乳時に話しかけたり遊んだりしないこと。「夜は暗くて静か」「昼は明るくてにぎやか」という環境の違いを、毎日一貫して作り続けることが大切です。

ただし、生後3ヶ月までは「しっかり寝かしつける」ことにこだわりすぎないでください。この時期の赤ちゃんに睡眠のトレーニングは早すぎます。

💡新生児の眠りのサイクル

新生児の睡眠サイクルは約50分です。浅い眠りから深い眠りに移行するとき、一瞬目を開けたり手足を動かしたりすることがあります。このとき「起きた」と思ってすぐ抱き上げると、実は眠りの途中だったということも。少し待ってから反応しましょう。

安全な睡眠環境(SIDS予防)

乳幼児突然死症候群(SIDS)は、それまで元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然亡くなる疾患です。日本では年間約60-80件が報告されています。2022年にAAP(米国小児科学会)が発表した最新の安全な睡眠に関する推奨事項をもとに、ポイントを整理します [2]。

仰向けに寝かせること。これが最も重要です。横向きやうつ伏せは窒息やSIDSのリスクを高めます。すべての睡眠時(昼寝を含む)に徹底してください [2]。

硬く平らな面に寝かせること。大人用のベッド、ソファ、クッション、ビーズクッションなど柔らかい面は窒息の危険があります。ベビーベッドやベビー用の硬いマットレスを使用してください [2]。

寝る場所には何も置かないこと。毛布、枕、ぬいぐるみ、バンパー(ベッドの柵に巻くクッション)はすべて窒息リスクです。寒さが心配な場合はスリーパー(着るタイプの寝具)を使いましょう。

⚠️添い寝のリスク

同じベッドで赤ちゃんと一緒に寝ること(添い寝、ベッドシェアリング)は、窒息やSIDSのリスクを高めます。AAP 2022推奨では、少なくとも生後6ヶ月、できれば1歳まで同室別床(赤ちゃんのベビーベッドを親のベッドの隣に置く)が推奨されています [2]。授乳のために添い寝をした場合は、授乳後に赤ちゃんをベビーベッドに戻してください。

その他の安全対策

おしゃぶりの使用は、SIDSリスクを低減する可能性が示されています [2]。母乳育児が確立してから(通常生後3-4週以降)開始するのがよいでしょう。

室温は暑すぎないようにします。赤ちゃんを厚着にしすぎないこと。お腹や背中を触って、汗ばんでいないか確認してください。

タバコの煙への曝露はSIDSの重大なリスク因子です [3]。妊娠中・出産後ともに、赤ちゃんの周囲での喫煙は厳禁です。

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

夜中に何度も起こされて、疲れ果てたお母さんが添い寝のまま一緒に寝てしまう。よくあることですし、お気持ちはよくわかります。でも、大人のベッドでの添い寝中に赤ちゃんが窒息する事故は実際に起きています。私がお伝えしているのは「授乳はベッドの上でしてもいい。でも、眠くなったら赤ちゃんをベビーベッドに戻してから寝てほしい」ということです。眠気が強いときほど、この一手間が赤ちゃんの命を守ります。ベビーベッドを親のベッドのすぐ隣に置けば、授乳時の移動も最小限で済みます。

今号のまとめ

  • 新生児は1日14-17時間眠るが1-3時間単位。体内時計は生後3-4ヶ月で確立する [1]
  • 安全な睡眠環境の3原則:仰向け、硬い平らな面、何も置かない [2]
  • 同室別床が推奨。添い寝(ベッドシェアリング)は窒息リスク [2]
  • 受動喫煙はSIDSの重大なリスク因子 [3]

あわせて読みたい

ご質問・ご感想

「こんなこと聞いていいのかな?」というギモンこそ大歓迎です。 外来受診時にお気軽にお声がけいただくか、質問フォームからお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

この記事は役に立ちましたか?

※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

関連記事