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1ヶ月健診でよく聞かれる質問と不安への回答まとめ
Vol.10健診

1ヶ月健診でよく聞かれる質問と不安への回答まとめ

1ヶ月健診で医師に聞かれること、体重・吐き戻し・おへそ・目やにのよくある不安について、小児科医が具体的に回答します。

健診0〜6ヶ月15
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 16·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • 体重増加は1日25〜30gが目安だが個人差が大きい。成長曲線に沿っていれば大丈夫
  • 吐き戻し・臍ヘルニア・目やに・顔のブツブツ、ほとんどが自然に治るので過度な心配は不要
  • 「噴水様嘔吐」「体重が増えない」「2ヶ月以上続く症状」は受診のサイン

愛育病院 小児科おかもん だより Vol.10

「1ヶ月健診、何を聞かれるの?」、体重・吐き戻し・おへそ・目やに、よくある不安に全部答えます

今号のポイント

  1. 2
    体重増加は1日25〜30gが目安だが個人差が大きい。成長曲線に沿っていれば大丈夫
  2. 4
    吐き戻し・臍ヘルニア・目やに・顔のブツブツ、ほとんどが自然に治るので過度な心配は不要
  3. 6
    「噴水様嘔吐」「体重が増えない」「2ヶ月以上続く症状」は受診のサイン

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

今回のテーマは1ヶ月健診です。

生まれて初めての健診、緊張しますよね。「体重が足りないって言われたらどうしよう」「吐き戻しが多い気がする」「おへそが変」「目やにが止まらない」、外来でお聞きする心配ごとのほとんどは、実は「知っていれば安心できる」ものばかりです。基本的にお子さんは元気に成長していきますので、安心してくださいね。

今号では、1ヶ月健診で特によくいただく5つの質問にお答えします。

Q1.「体重が足りていないと言われたらどうしよう」

——母乳だけで育てているんですが、ちゃんと増えているか心配で……。1ヶ月健診でどのくらい増えていれば合格なんですか?

まず、「合格」や「不合格」という考え方は捨てていただいて大丈夫ですよ。一般的に、生後1ヶ月の赤ちゃんは1日あたり25〜30g程度の体重増加が目安とされています [1]。ただし、これはあくまで平均値です。大切なのは成長曲線(パーセンタイル)に沿って増えているかどうかです

——成長曲線に沿って、というのは?

母子手帳に載っている成長曲線の帯の中に入っていて、前回の測定からのカーブが同じ流れで伸びていれば順調です。他のお子さんとの比較は意味がありません。WHO(世界保健機関)の成長基準は母乳栄養の赤ちゃんをもとに作られていますが、日本の母乳栄養の赤ちゃんはWHO基準よりやや小さめに推移するという報告もあります [2]。ですから、曲線の下のほうにいるからといって、すぐに心配する必要はないんです

——じゃあ、どういう時に心配したほうがいいですか?

注意が必要なのは、成長曲線のカーブが急に横ばいになった時や、大きなパーセンタイルの線を2本以上下に横切った時です [3]。また1日の増加が15g未満の場合は、授乳の状況を一度見直したほうがよいかもしれません。ただ、体重だけを見て判断するのではなく、赤ちゃんの機嫌、おしっこの回数(1日6回以上が目安)、うんちの出方を総合的に見ます。健診の場で私たちもしっかり確認しますので、安心して来てくださいね

ポイント

  • 1ヶ月時点の体重増加は1日25〜30gが目安。ただし個人差が大きい [1]
  • 大切なのは成長曲線に沿っているかどうか。他の子との比較は不要 [2]
  • おしっこが1日6回以上出ていれば、母乳は足りている目安になる

Q2.「毎回吐き戻すんですが、大丈夫ですか?」

——授乳のたびにダラーっと吐き戻すんです。量も多い気がして……もしかして病気ですか?

ご心配ですよね。でも結論から言うと、赤ちゃんの吐き戻しはほとんどの場合、正常です。これには解剖学的な理由があるんです。赤ちゃんの胃は大人のように横に寝た形ではなく、縦長の「とっくり型」をしています。しかも、胃の入口にあたる噴門部(食道と胃のつなぎ目)の筋肉がまだ未発達で、ゆるいんです [4]

——だからすぐ戻ってきちゃうんですね

その通りです。これを生理的胃食道逆流(GER=胃の内容物が食道に戻ってくる現象)と呼びます。生後2ヶ月以内の赤ちゃんの70〜85%で起こるもので、95%は1歳までに自然に治ります [4]。ですから、『吐くけど体重は順調に増えている、機嫌もいい』という状態なら、まず心配いりません

——ただの吐き戻しと、病気の嘔吐はどう見分ければいいですか?

これは非常に大事なポイントです。まず安心していただきたいのは、赤ちゃんの吐き戻しの大多数は心配のないものだということです。そのうえで、以下の3つのサインがある場合は、念のためすぐに受診してください。①噴水のように勢いよく吐く(噴水様嘔吐)、②体重が増えない、もしくは減っている、③吐いたものが緑色(胆汁色)。特に生後3〜6週頃に噴水様嘔吐が始まった場合は、幽門狭窄症という胃の出口が狭くなる病気の可能性があります [5]。頻度は1,000人に2〜5人で、男の子に4〜5倍多いとされています [5]。逆に言えば、ダラっと口から流れ出るタイプの吐き戻しで、赤ちゃんが元気なら安心材料が多いということです

ポイント

  • 赤ちゃんの胃は「とっくり型」。吐き戻しは70〜85%の赤ちゃんで正常に起こる [4]
  • 95%が1歳までに自然に治る [4]
  • 噴水様嘔吐+体重増加不良+緑色の嘔吐物は受診サイン。幽門狭窄症の可能性 [5]

Q3.「おへそが出ているんですが……」

——おへそがポコッと飛び出しているんです。このまま治るんでしょうか? それと、おへそがいつまでもジュクジュクしているのも気になります

まず飛び出しているほうからお話ししますね。これは臍ヘルニア(さいへるにあ)、いわゆる「でべそ」です。新生児の15〜23%に見られるもので、珍しいものではありません [6]。お腹の筋肉の隙間から腸の一部が押し出されてポコッと膨らむのですが、ほとんどの場合は筋肉が発達するにつれて自然に閉じます

——自然に治るんですか? いつ頃までに?

はい。85〜90%は1歳〜5歳の間に自然閉鎖すると報告されています [6]。日本では、早期にテープによる圧迫療法を行うことで閉鎖を早められるというデータがあります。生後早期にテープ圧迫を開始すると閉鎖率が高かったとする報告があり、皮膚のたるみ(余剰皮膚)を予防する効果もあるとされていますよ。ただし圧迫療法はスキントラブルのリスクもありますので、ご希望の場合は健診時にご相談ください。5歳を過ぎても閉じない場合や、穴の直径が1.5cmを超える場合は手術を検討することがあります [6]

——ジュクジュクしているほうはどうですか?

臍の緒が取れた後に赤い肉の塊(肉芽)が残っている場合は臍肉芽腫(さいにくがしゅ)の可能性があります。これは硝酸銀(しょうさんぎん)という薬で焼灼(しょうしゃく=薬品で表面を軽く焼いて治す処置)する方法で7〜14日ほどで治ることが多いです [7]。ただし、何度処置してもジュクジュクが治らない場合や、おしっこのような液体が出てくる場合は、臍と膀胱がつながったまま残っている尿膜管遺残という先天的な問題の可能性があるため、精査が必要です [8]。長引く場合は遠慮なくご相談ください

ポイント

  • 臍ヘルニアは新生児の15〜23%に発生。85〜90%は自然に閉じる [6]
  • 日本ではテープ圧迫療法で早期閉鎖を促進できる場合がある
  • おへそのジュクジュクが長引く場合は臍肉芽腫や尿膜管遺残の可能性 → 受診を [7][8]

Q4.「目やにが止まらないんです」

——生まれてからずっと片目だけ目やにが出ています。目薬をもらっても繰り返すんですが……

片目だけの目やにが繰り返す場合、最も多い原因は鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)です。涙は目頭の小さな穴から鼻に向かって流れていくのですが、この通り道(鼻涙管)が生まれつき塞がっていると、涙が溜まって目やにの原因になります。新生児の5〜20%に見られる、とても一般的なものです [9]

——5人に1人!そんなに多いんですね。治りますか?

はい。ほとんどが1歳までに自然に開通します。自然治癒を助ける方法として涙嚢マッサージ(クリグラーマッサージ)があります [10]。やり方はシンプルで、目頭のやや下(鼻の付け根のあたり)を、清潔な指でやさしく下に向かって押す動作を、1日3〜4回、各10回程度繰り返します。日本の研究でも、正しいマッサージを継続した場合の開通率は84〜87%と報告されています [11]。日本のガイドラインでも、生後12ヶ月までは観察+涙嚢マッサージが第一選択とされていますよ [12]

——それともう一つ、白目に赤い点のような出血があるんですが……

それは結膜下出血ですね。出産時に産道を通る際の圧力で毛細血管が破れたものです。痛みもありませんし、視力にも影響しません。通常1〜3週間で自然に吸収されますので、様子を見ていただいて大丈夫です。2週間以上経っても改善しない場合は、念のため診せてください

ポイント

  • 片目の目やにが繰り返す → 鼻涙管閉塞(新生児の5〜20%)[9]
  • 涙嚢マッサージで84〜87%が改善。1歳まで経過観察が基本 [10][11][12]
  • 白目の出血は出産時の結膜下出血。1〜3週間で自然に消える

Q5.「顔がブツブツだらけです」

——おでこと頬にブツブツがたくさんできて、かさぶたのようなものもあります。アトピーでしょうか……?

生後1ヶ月前後の顔のブツブツで最も多いのは、新生児ざ瘡(にきび)か脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)です。どちらもこの時期にとても多い皮膚トラブルで、アトピーとは別のものです

——え、アトピーじゃないんですか? どう見分けるんですか?

それぞれの特徴をお伝えしますね。新生児ざ瘡は、おでこや鼻、頬に赤いブツブツや白いプチプチ(コメド=毛穴に皮脂が詰まったもの)ができるもので、新生児の約20%に見られます [13]。お母さんからもらったホルモンの影響で皮脂が増えるのが原因で、4ヶ月以内に自然に治ります。脂漏性湿疹は、頭皮やおでこ、眉毛のあたりに黄色っぽい脂っぽいかさぶた(鱗屑=りんせつ、皮膚の表面がはがれたもの)ができるもので、これもほとんどが数週間〜数ヶ月で自然に治ります [14]。一方、アトピー性皮膚炎は通常生後3ヶ月以降に始まり、かゆみが強いのが特徴です [15]。脂漏性湿疹にはかゆみがほとんどありません

——じゃあ、今の時点ではあまり心配しなくていいんですね。何かケアはありますか?

はい。基本は石けんでやさしく洗って、保湿することです。脂漏性湿疹のかさぶたは、お風呂の前にベビーオイルやワセリンを塗ってふやかしてから、やさしく洗い流してください。無理にはがすと皮膚を傷つけるので要注意です。ただ、2ヶ月以上続く場合や、かゆみが強い場合は、アトピー性皮膚炎への移行の可能性がありますので、受診をおすすめします [15]。早めに適切なケアを始めることで、食物アレルギーの予防にもつながる可能性が示されていますよ [16]

ポイント

  • 生後1ヶ月の顔のブツブツ → 多くは新生児ざ瘡か脂漏性湿疹 [13][14]
  • どちらも自然に治る。石けんで洗って保湿が基本ケア
  • 2ヶ月以上続く+かゆみが強い → アトピーの可能性。早めに受診を [15]

今号のまとめ

  • 体重は1日25〜30g増加が目安。成長曲線に沿っていれば大丈夫。おしっこが1日6回以上出ていれば母乳は足りています [1][2]
  • 吐き戻しは70〜85%の赤ちゃんで正常。噴水様嘔吐+体重増加不良+緑色嘔吐物は受診サインです [4][5]
  • 臍ヘルニアは85〜90%が自然に閉じます。テープ圧迫で閉鎖を早められることも [6]
  • 目やにが繰り返す場合は鼻涙管閉塞が多い。涙嚢マッサージで84〜87%が改善します [9][11]
  • 顔のブツブツは多くが一過性。2ヶ月以上続く+かゆみ強い場合はアトピーの可能性 [13][14][15]

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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