愛育病院 小児科おかもん だより Vol.35
3〜4ヶ月健診FAQ、首すわり・股関節・目の動き
今号のポイント
- 2首すわりの完成時期は個人差が大きい。4ヶ月で完成していなくても焦らない
- 4股関節脱臼は早期発見が重要。おむつ替え時の開き方をチェック
- 6斜視は生後6ヶ月まで正常範囲。様子を見てOK
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
3〜4ヶ月健診では、首すわり・股関節・目の動きといった、赤ちゃんの発達の大事なチェックポイントを一つひとつ確認していきます。今回は、健診の外来でよくいただく質問にお答えします。
Q1.「首すわりがまだ完成していないんですが、大丈夫ですか?」
——もうすぐ4ヶ月なのに、首がまだグラグラします。遅れていますか?
首すわりの完成時期は個人差が大きいです。5ヶ月までに完成すれば正常範囲です [1]
首すわりの目安:
| 月齢 | 首すわり達成率 |
|---|---|
| 3ヶ月 | 約60〜70% [1] |
| 4ヶ月 | 約90% [1] |
| 5ヶ月 | ほぼ100% [1] |
首すわりのチェック方法:
- 2縦抱きで首がグラグラしない
- 4うつ伏せで頭を持ち上げられる(45度以上)
- 6仰向けから引き起こすとき、首がついてくる
4ヶ月時点で首すわりが完成していなくても、5ヶ月までに完成すれば問題ありません [1]。ただし、5ヶ月を過ぎても首がグラグラする場合は、小児科医に相談してください
ポイント
- 首すわりは 5ヶ月までに完成すれば正常 [1]
- 個人差が大きい。4ヶ月で未完成でも焦らない
- 5ヶ月過ぎても首がグラグラなら相談
Q2.「股関節が硬い気がします。股関節脱臼が心配です」
——おむつ替えのとき、足が開きにくい気がします。股関節脱臼でしょうか?
股関節脱臼(先天性股関節脱臼、発育性股関節形成不全)は、早期発見が重要です [2]
股関節脱臼のチェックポイント:
| サイン | 説明 |
|---|---|
| 開排制限 | おむつ替え時、足が左右均等に開かない [2] |
| 太ももの皮膚のシワが左右非対称 | 片方だけシワが多い・深い |
| 足の長さが違う | 片方の足が短く見える |
| クリック音 | 股関節を動かすとポキッと音がする |
特に女児、家族歴(親や兄弟に股関節脱臼の既往がある場合)、骨盤位(逆子)で生まれた子は股関節脱臼のリスクが高いです [3]。3〜4ヶ月健診で必ずチェックされますが、気になる場合は健診を待たずに受診してください
股関節脱臼の治療:
- 早期発見(生後3〜4ヶ月): リーメンビューゲル装具で治療。成功率は報告により幅があるが概ね70〜90%程度 [4]
- 遅れて発見: 手術が必要になることも
股関節にやさしい抱っこ・おむつ:
- コアラ抱っこ(足を大きく開いて抱っこ)
- 足をまっすぐ伸ばす抱っこは避ける
- おむつは股関節が自然に開く状態で
ポイント
- 股関節脱臼は 早期発見が重要 [2]
- 開排制限、左右非対称のシワに注意 [2]
- リスク因子: 女児、家族歴、骨盤位 [3]
- 早期治療なら装具で治る [4]
Q3.「目の動きがおかしい気がします。斜視でしょうか?」
——たまに目が内側に寄っているように見えます。斜視が心配です
生後6ヶ月までは、偽斜視(ぎしゃし)といって、斜視に見えても正常なことが多いです [5]
偽斜視とは?
- 鼻の付け根が広い(蒙古ひだ)ため、目が内側に寄って見える
- 実際には斜視ではない [5]
- 成長とともに鼻が高くなり、目立たなくなる
本当の斜視と偽斜視の見分け方:
ライトテスト(光を当てて確認):
- 赤ちゃんの目に懐中電灯などの光を当てる
- 光の反射が両目とも瞳の中心にあれば正常
- 片方の目だけ反射がずれていたら斜視の可能性 [5]
相談すべきサイン:
- 常に目が寄っている(いつ見てもずれている)
- 片目だけ常に外側を向いている
- 6ヶ月を過ぎても目が寄っている
- 目を追わない(おもちゃを見ない、目が合わない)
生後6ヶ月までは様子を見てOKです [5]。ただし、いつ見てもずれている、片目だけ常に外を向いている場合は、小児眼科を受診してください
ポイント
- 生後6ヶ月までは 偽斜視が多い [5]
- 成長とともに目立たなくなる
- 常にずれている、片目だけ外向きなら受診
- ライトテストで確認できる
Q4.「うつ伏せ練習は必要ですか?」
——うつ伏せ練習をしたほうがいいと聞きました。どのくらいやるべきですか?
うつ伏せ遊び(タミータイム)は、首・肩・背中の筋肉を鍛えるのに効果的です [6]
うつ伏せ遊びのメリット:
- 2首すわりが早くなる [6]
- 4頭の形が良くなる(絶壁予防)
- 6運動発達が促進される(寝返り・ハイハイの準備)
うつ伏せ遊びのやり方:
- 時間: 1日数回、1回2〜5分から始める
- タイミング: 機嫌が良いとき、起きているとき
- 注意点:
- 必ず目を離さない(窒息予防)
- 寝るときは仰向け(SIDS予防) [7]
- 嫌がったら無理しない
うつ伏せ遊びは良いことですが、義務ではありません。嫌がる子に無理強いする必要はありません。遊びの一環として、楽しくやりましょう [6]
ポイント
- うつ伏せ遊びは 首・肩・背中の筋肉を鍛える [6]
- 1日数回、1回2〜5分から
- 必ず目を離さない。寝るときは仰向け [7]
- 嫌がったら無理しない
Q5.「よだれが多いんですが、大丈夫ですか?」
——3ヶ月になってから、急によだれが増えました。何か問題がありますか?
生後3〜4ヶ月頃からよだれが増えるのは正常な発達です [8]
よだれが増える理由:
- 2唾液の分泌が増える
- 消化酵素(アミラーゼ)が作られ始める [8]
- 離乳食の準備
- 4まだ飲み込みが下手
- 唾液を飲み込む協調運動が未熟
- 口からあふれてしまう
よだれの多さは個人差が大きい:
- よだれが多い子: スタイが何枚も必要
- よだれが少ない子: ほとんど出ない
どちらも正常です [8]
よだれかぶれの対策:
- こまめにやさしく拭く(ゴシゴシしない)
- スタイをこまめに替える
- 保湿クリーム(ワセリン、プロペト)で保護
相談すべきサイン:
- 生後6ヶ月以前によだれが全く出ない(唾液分泌の問題?)
- 口から常に舌が出ている(筋緊張低下の可能性)
- よだれかぶれがひどく、ただれている
ポイント
- 生後3〜4ヶ月からよだれが増えるのは 正常 [8]
- 唾液分泌増加 + 飲み込み未熟が原因
- 個人差が大きい。多くても少なくてもOK
- よだれかぶれは保湿で予防
まとめ
- 首すわりは 5ヶ月までに完成すれば正常。個人差が大きい
- 股関節脱臼は 早期発見が重要。開排制限・左右非対称に注意
- 生後6ヶ月までの斜視は 偽斜視が多い。様子を見てOK
- うつ伏せ遊びは 筋肉を鍛えるが義務ではない
- よだれが増えるのは 正常な発達。個人差が大きい
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- Vol.010 1ヶ月健診FAQ
- Vol.021 1ヶ月健診FAQ⑥(しゃっくり・おなら・いきみ)
- Vol.022 1ヶ月健診FAQ⑦(向き癖・頭の形・あざ)
- Vol.030 1ヶ月健診FAQ⑧(口の中の心配)
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