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産後の腰痛・肩こりが慢性化する前に
Vol.368生活・育児

産後の腰痛・肩こりが慢性化する前に

産後の腰痛・肩こりの原因、授乳姿勢の工夫、自宅ストレッチ、骨盤矯正の真実を解説

生活・育児0〜6ヶ月・6〜12ヶ月・1〜3歳5
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 3問収録

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この記事のポイント

  • 産後の腰痛は50〜70%の母親が経験。放置すると慢性化のリスク
  • 授乳姿勢の工夫と毎日5分のストレッチで大幅に改善できる
  • 「骨盤矯正」のエビデンスは限定的。まず自宅トレーニングから

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.368

産後の腰痛・肩こりが慢性化する前に

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

産後のお母さんの50~70%が腰痛を訴えています [1]。「育児中だから仕方ない」と放置すると慢性化して、数年単位で苦しむことになりかねません。今のうちに対策しておきましょう。

妊娠・出産のダメージに、育児の負荷が重なっている

腰痛と肩こりがひどい。その原因は、妊娠・出産の影響と育児動作の影響の両方が重なっていることにあります。

リラキシンというホルモンが産後数か月間靭帯を緩めた状態が続いています。腹筋群は妊娠で伸びて弱くなっています。そこに、抱っこ(特に片手抱き)、授乳時の前かがみ姿勢、おむつ替えの中腰、夜間授乳による睡眠不足(筋肉の回復を妨げる)が加わります [1]。

授乳姿勢の工夫だけで、肩こりは大幅に軽減できます。赤ちゃんを自分に引き寄せる(自分が赤ちゃんに近づかない)。クッションや授乳枕で赤ちゃんの高さを調整する。背中を丸めず背もたれに寄りかかる [2]。抱っこ紐は赤ちゃんの頭にキスできる高さが正しい位置で、腰ベルトは骨盤の上にしっかり締めてください。

💡自宅でできる5分ストレッチ

腰痛に: 骨盤傾斜運動(仰向けで腰を床に押しつける、5秒保持10回)、キャットカウ(四つ這いで背中を丸めたり反らせたり10回)。肩こりに: 両肩を前後に回す各10回、壁に手をついて体をひねり胸の前を伸ばす左右20秒。子どもが遊んでいる横で一緒にできます [3]。

「骨盤矯正」のエビデンスは、正直なところ限定的です

率直に言います。「産後の骨盤矯正」のエビデンスは限定的です。

骨盤は分娩後自然に元に戻る過程をたどり、リラキシンの影響は産後3~6か月で減少します。「骨盤が開いたまま」という表現は解剖学的に正確ではありません。骨盤ベルトは痛みの軽減に一定の効果がある可能性が示されていますが、エビデンスの質は高くありません [4]。

確実に効果があるのは、骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)、コア筋群のトレーニング、全身の軽い運動(ウォーキング)です。

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

高額な骨盤矯正コースに投資する前に、まず自宅でできるトレーニングを試してください。それでも改善しない場合に整形外科やリハビリテーション科を受診するのが合理的です。

こんな症状があったら、整形外科に行ってください

⚠️こんなときは整形外科へ

安静にしていても痛みが強い。足にしびれや力の入りにくさがある(椎間板ヘルニアの可能性)。痛みが3か月以上改善しない。朝の強いこわばりが1時間以上続く。発熱を伴う腰痛。排尿・排便のコントロールに問題がある(緊急性が高い)[5]。

産後であることを伝えれば、それに配慮した治療を受けられます。痛みを我慢し続ける必要はありません。

今号のまとめ

  • 産後の腰痛は50~70%の母親が経験。放置すると慢性化のリスク
  • 授乳姿勢の工夫(クッションで高さ調整、背もたれに寄りかかる)で肩こりを軽減
  • 毎日5分のストレッチ(骨盤傾斜運動、キャットカウ、肩回し)が効果的
  • 「骨盤矯正」のエビデンスは限定的。まず自宅トレーニングから
  • 3か月改善しない、足のしびれがある場合は整形外科を受診

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  • Vol.355「産褥期の体の変化」

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愛育病院 小児科 おかもん先生

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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