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「いつから登園・登校できますか?」、感染症と出席停止基準の完全ガイド
Vol.153感染症

「いつから登園・登校できますか?」、感染症と出席停止基準の完全ガイド

学校保健安全法に基づき、感染症ごとに出席停止期間が定められている。正しい基準を知っておくことで不要な長期欠席を避けられる

感染症全年齢13
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 8·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • 学校保健安全法に基づき、感染症ごとに出席停止期間が定められている。正しい基準を知っておくことで不要な長期欠席を避けられる
  • 保育園では「意見書(医師が記載)」と「登園届(保護者が記載)」の2種類の書類があり、感染症の種類によって必要な書類が異なる
  • 主要な感染症の登園・登校基準を一覧表にまとめたので、お手元に保存してご活用ください

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.153

「いつから登園・登校できますか?」、感染症と出席停止基準の完全ガイド

今号のポイント

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    学校保健安全法に基づき、感染症ごとに出席停止期間が定められている。正しい基準を知っておくことで不要な長期欠席を避けられる
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    保育園では「意見書(医師が記載)」と「登園届(保護者が記載)」の2種類の書類があり、感染症の種類によって必要な書類が異なる
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    主要な感染症の登園・登校基準を一覧表にまとめたので、お手元に保存してご活用ください

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「先生、いつから保育園に行っていいですか?」、これは外来で最も多く聞かれる質問の一つです。お子さんが感染症にかかった時、保護者の方は「いつまで休むのか」「どんな書類が必要なのか」で頭を悩ませます。一方で、基準を正しく理解していないと、まだ感染力があるのに登園・登校してしまうケースや、逆にもう大丈夫なのに不要に長く休んでしまうケースも見受けられます。

今回は、主要な感染症の登園・登校基準を一覧表にまとめてお伝えします。

Q1.「出席停止の基準はどこで決まっているのですか?」

——保育園から"出席停止期間が決まっています"と言われましたが、誰がどう決めているのですか?

出席停止の基準は、学校保健安全法とそれに基づく施行規則で定められています [1][2]。保育園については厚生労働省のガイドラインが参考にされています [3]

法的根拠 [1][2][3]:

対象施設根拠法令
幼稚園・小学校・中学校・高校学校保健安全法施行規則 第18条・第19条 [1]
保育園(認可保育所)厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」[3]
認定こども園両方の基準を参考 [2]

感染症の分類 [1]:

対象感染症

第一種
エボラ出血熱、ペスト、SARS等
第二種
インフルエンザ、百日咳、麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜ、咽頭結膜熱(プール熱)、新型コロナウイルス、結核、髄膜炎菌性髄膜炎
第三種
コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、その他

出席停止期間

第一種
治癒するまで [1]
第二種
感染症ごとに基準が定められている [1]
第三種
医師が感染のおそれがないと認めるまで [1]

外来で特に質問が多いのは第二種感染症の出席停止期間です [1]。これは感染症ごとに明確な基準が定められています。次の質問で一覧表にまとめますね

ポイント

  • 出席停止基準は学校保健安全法で定められている [1]
  • 保育園は厚生労働省のガイドラインが基準 [3]
  • 感染症は第一種〜第三種に分類される [1]
  • 日常的に問題になるのは第二種感染症の基準 [1]

Q2.「主な感染症の登園・登校基準を一覧で教えてください」

——感染症ごとに基準が違うんですね。一覧で見せてもらえますか?

はい。主要な感染症の出席停止基準をまとめます。この一覧表はぜひ保存しておいてください [1][2][3]

第二種感染症の出席停止基準一覧 [1][2]:

感染症出席停止期間の基準
インフルエンザ発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで [1]
新型コロナウイルス発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで [1]
百日咳特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで [1]
麻疹(はしか)解熱した後3日を経過するまで [1]
風疹発疹が消失するまで [1]
水痘(水ぼうそう)すべての発疹が痂皮化(かさぶた)するまで [1]
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)耳下腺等の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで [1]
咽頭結膜熱(プール熱)主要症状が消退した後2日を経過するまで [1]
結核医師が感染のおそれがないと認めるまで [1]
髄膜炎菌性髄膜炎医師が感染のおそれがないと認めるまで [1]

その他の主要な感染症の登園基準(第三種・その他)[2][3]:

感染症登園・登校基準の目安
溶連菌感染症適切な抗菌薬治療開始後24〜48時間経過し、全身状態が良好であれば登園可 [3]
マイコプラズマ肺炎急性期が経過し、全身状態が良好であれば登園可 [3]
手足口病発熱がなく、本人の全身状態が良好であれば登園可(発疹のみでは出席停止としない)[3]
ヘルパンギーナ発熱がなく、本人の全身状態が良好であれば登園可 [3]
RSウイルス感染症呼吸器症状が消失し、全身状態が良好であれば登園可 [3]
突発性発疹解熱し、全身状態が良好であれば登園可 [3]
伝染性紅斑(りんご病)全身状態が良好であれば登園可(発疹出現時にはすでに感染力はない)[3]
ノロウイルス・ロタウイルス(感染性胃腸炎)嘔吐・下痢が治まり、普通の食事がとれるようになれば登園可 [3]
伝染性膿痂疹(とびひ)適切な治療を開始し、病変が乾燥しているか、覆うことができれば登園可 [3]
流行性角結膜炎医師が感染のおそれがないと認めるまで(第三種感染症)[1]
アタマジラミ駆除を開始していれば登園可(出席停止にはならない)[3]

ポイント

  • インフルエンザ: 発症後5日+解熱後2日(幼児3日)[1]
  • 新型コロナ: 発症後5日+症状軽快後1日 [1]
  • 水ぼうそう: すべてかさぶたになるまで [1]
  • 手足口病・ヘルパンギーナ: 発疹だけでは出席停止にならない [3]
  • りんご病: 発疹が出た時点で感染力はすでにない [3]

Q3.「インフルエンザの出席停止はどう数えればいいですか?」

——インフルエンザの"発症後5日"というのがわかりにくいです。具体的に教えてもらえますか?

最も質問が多い部分ですね。"発症した後5日"とは、発症日を0日として数えます [1][4]。そして"解熱した後2日(幼児は3日)"の両方を満たす必要があります [1]

インフルエンザの出席停止期間の数え方 [1][4]:

発症日1日後2日後3日後4日後5日後6日後7日後
例1: 発症日に解熱発症(0日)1日目2日目3日目4日目5日目登校可
例2: 翌日に解熱(学童)発症(0日)解熱(1日目)2日目3日目4日目5日目登校可
例3: 3日目に解熱(学童)発症(0日)1日目2日目解熱(3日目)4日目5日目登校可
例4: 翌日に解熱(幼児)発症(0日)解熱(1日目)2日目3日目4日目5日目登園可

= 「発症後5日」と「解熱後2日/3日」の両方を満たす日

ポイントは2つの条件の両方を満たす必要があるということです [1]

2つの条件 [1]:

条件内容
条件1発症した後5日を経過していること(発症日=0日目で数える)[1]
条件2(学童以上)解熱した後2日を経過していること [1]
条件2(幼児)解熱した後3日を経過していること [1]

たとえば、月曜日に発症して火曜日に解熱した学童の場合、解熱後2日は木曜日に満たしますが、発症後5日は土曜日まで必要です。この場合、日曜日から登校可能となります。2つの条件のうち、遅い方に合わせるのがルールです [1][4]

新型コロナウイルスの出席停止 [1]:

条件内容
条件1発症した後5日を経過 [1]
条件2症状が軽快した後1日を経過 [1]

新型コロナの場合は"解熱"ではなく"症状が軽快"という表現で、期間も軽快後1日です [1]。インフルエンザよりやや短いですが、考え方は同じです

ポイント

  • インフルエンザは発症後5日+解熱後2日(幼児3日)の両方を満たす [1]
  • 発症日を0日目として数える [1]
  • 2つの条件のうち、遅い方に合わせる [1][4]
  • 新型コロナは発症後5日+症状軽快後1日 [1]

Q4.「"意見書"と"登園届"の違いは何ですか?」

——保育園から"意見書をもらってきてください"と言われたのですが、"登園届"とは違うのですか? 費用はかかりますか?

保育園の登園に必要な書類は、感染症の種類によって"意見書(医師記載)"と"登園届(保護者記載)"の2種類があります [3][5]

意見書と登園届の違い [3][5]:

意見書

記載者
医師
内容
医師が「登園可能」と判断したことを証明
対象感染症
出席停止基準が明確な感染症(主に第二種感染症等)
費用
有料のことが多い(医療機関により異なる)

登園届

記載者
保護者
内容
保護者が「医師の診断を受け、登園を届け出る」
対象感染症
全身状態の回復が基準の感染症
費用
無料(保護者が記載)

意見書が必要な感染症 [3][5]:

感染症
麻疹(はしか)
風疹
水痘(水ぼうそう)
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
咽頭結膜熱(プール熱)
百日咳
インフルエンザ
新型コロナウイルス
結核
腸管出血性大腸菌感染症
流行性角結膜炎
髄膜炎菌性髄膜炎

登園届(保護者記載)で対応する感染症 [3][5]:

感染症
溶連菌感染症
マイコプラズマ肺炎
手足口病
ヘルパンギーナ
RSウイルス感染症
突発性発疹
伝染性紅斑(りんご病)
感染性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルス等)
伝染性膿痂疹(とびひ)

保育園・自治体によって運用が異なる場合がありますので、事前にお通いの保育園にご確認ください [3]。なお、幼稚園・学校では"出席停止"の手続きは学校側が行うため、保護者が書類を提出する必要がないケースが多いです [1]。一方、保育園では保護者が書類を提出する運用が一般的です [3]

よくある混乱ポイント [3][5]:

混乱しやすい点正しい理解
「意見書=治癒証明書?」名称は園によって異なるが、内容はほぼ同じ。「登園可能の判断」を医師が記載 [5]
「意見書の費用は?」医療機関ごとに異なる。保険適用外で数百〜数千円が一般的 [5]
「意見書はいつもらいに行く?」出席停止基準を満たした後に受診して記載を受ける [5]
「登園届は医師の記載が不要?」保護者が記載するが、「医師の診断名」を記入する欄があるため、事前に診断を受けておく必要がある [3]

ポイント

  • 意見書: 医師が記載。主に第二種感染症等が対象。有料 [3][5]
  • 登園届: 保護者が記載。全身状態回復が基準の感染症。無料 [3][5]
  • 園によって運用が異なるため、事前に確認を [3]
  • 登園届でも事前に医師の診断を受けておく [3]

Q5.「外来でよくあるトラブルと注意点を教えてください」

——登園・登校に関して、よくあるトラブルはありますか? 気をつけるべきことを教えてください

外来で実際に困るケースをいくつかご紹介します [4][5]

外来でよくあるトラブルと対処法:

トラブル説明と対処法
「保育園から"完全に治ってから"と言われた」法的な基準は「出席停止期間の経過」であり、「完全に治る」ことではない。軽い咳や鼻水が残っていても、出席停止基準を満たしていれば登園可能 [1][3]
「解熱後の日数が足りないのに"もう元気だから"と登園させたい」お子さんが元気でも基準は守る必要がある。まだ感染力が残っている可能性がある [1]
「検査で陰性だったのに出席停止?」インフルエンザ等の迅速検査には偽陰性がある。臨床的にインフルエンザと診断された場合は検査結果にかかわらず出席停止 [4]
「"発症日"がわからない」発症日は症状が最初に出た日(発熱の場合は最初に37.5℃以上になった日)。不明な場合は医師と相談 [4]
「きょうだいが感染したが本人は元気。登園できる?」きょうだいの感染のみでは本人の出席停止にはならない。ただし、潜伏期間中は注意深く観察 [1][3]
「意見書を書いてほしいが、まだ基準を満たしていない」基準を満たす前に受診しても意見書は書けない。基準を満たした後に受診を [5]
「保育園が独自の厳しい基準を設けている」園によって独自ルールがあることも。まずは法的な基準を確認し、園と相談 [3]

特に多いのが、"軽い咳が残っているから登園できない"という誤解です [3]。確かに咳が残っているとお子さんも辛いですし、周囲への配慮も大切です。しかし、出席停止基準は"感染力がなくなるタイミング"を基に設定されています [1]。基準を満たしていれば、軽い咳や鼻水が残っていても医学的には登園・登校可能です

もう一つ大切なのは、検査結果と臨床診断は必ずしも一致しないということです [4]。インフルエンザの迅速検査は発症後12〜48時間が最も感度が高く、早すぎると偽陰性になることがあります [4]。医師が症状や流行状況から臨床的にインフルエンザと診断した場合は、検査が陰性でも出席停止基準に従います

ポイント

  • 軽い咳・鼻水が残っていても、基準を満たしていれば登園可 [1][3]
  • 検査が陰性でも臨床診断に基づいて出席停止となることがある [4]
  • きょうだいの感染のみでは本人は出席停止にならない [1]
  • 意見書は基準を満たした後に受診して記載を受ける [5]
  • 園の独自ルールと法的基準が異なる場合がある。まず基準を確認 [3]

まとめ

  • 出席停止基準は学校保健安全法(学校)と厚労省ガイドライン(保育園)で定められている [1][3]
  • インフルエンザ: 発症後5日+解熱後2日(幼児3日)。新型コロナ: 発症後5日+症状軽快後1日 [1]
  • 保育園の書類は意見書(医師記載・有料)と登園届(保護者記載・無料)の2種類 [3][5]
  • 手足口病・りんご病など、発疹が出ていても全身状態が良ければ登園可能な感染症がある [3]
  • 軽い咳・鼻水が残っていても基準を満たしていれば登園・登校可能。不要な長期欠席を避ける [1][3]

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