愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.213
「舌が短いと言われました」、舌小帯短縮症
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)は、舌の裏側にある膜(舌小帯)が短いために舌の動きが制限される状態です。哺乳困難や構音障害の原因になることがあります。今回は、舌小帯短縮症についてお伝えします。
Q1.「舌小帯短縮症とは?」
——赤ちゃんの舌が短いと指摘されました
舌小帯短縮症は、舌の裏の膜が短く、舌の動きが制限される状態です [1]。
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 頻度 | 新生児の約3-5% |
| 男女比 | 男児にやや多い |
| 原因 | 先天性(生まれつき) |
| 重症度 | 軽度〜重度まで様々 |
| 舌小帯短縮症のサイン |
|---|
| 舌を前に出すとハート型になる |
| 舌を上顎につけられない |
| 舌を左右に動かしにくい |
ポイント
- 新生児の約3-5%に見られる
- 舌の動きが制限される
- 重症度は様々
Q2.「哺乳に影響しますか?」
——おっぱいがうまく飲めません
重度の場合、哺乳に影響することがあります [2]。
| 哺乳への影響 | 詳細 |
|---|---|
| 浅い吸着 | 乳首を深くくわえられない |
| 授乳時間の延長 | 効率よく飲めない |
| 母親の乳頭痛 | 浅い吸着による |
| 体重増加不良 | 十分に飲めない |
「ただし、舌小帯短縮症があっても問題なく哺乳できる赤ちゃんも多いです。哺乳に問題がなければ、治療は急ぎません。」
ポイント
- 重度の場合は哺乳に影響
- 問題なく飲めることも多い
- 哺乳困難がなければ経過観察
Q3.「治療は必要ですか?」
——手術が必要と聞きましたが
症状の程度によって判断します [3]。
| 治療の適応 | 詳細 |
|---|---|
| 新生児期 | 哺乳困難がある場合 |
| 幼児期 | 構音障害がある場合(サ行、タ行、ラ行) |
| 学童期 | 発音や食事に問題がある場合 |
| 手術の種類 |
|---|
| 舌小帯切開術:外来で短時間で行える。新生児〜乳児 |
| 舌小帯形成術:全身麻酔下で行う。幼児〜学童 |
「新生児期の舌小帯切開は数分で終わる簡単な処置です。出血も少なく、処置後すぐに授乳できます。」
ポイント
- 症状がある場合に治療を検討
- 新生児期は簡単な処置で対応
- 構音障害があれば幼児期に手術
Q4.「言葉への影響は?」
——発音に影響しますか?
一部の音の発音に影響することがあります [4]。
| 影響を受ける音 | 詳細 |
|---|---|
| サ行 | 舌先を上歯茎に近づける必要 |
| タ行 | 舌先を上歯茎につける必要 |
| ラ行 | 舌先を上歯茎に弾く必要 |
| 英語のL, R, TH | 舌の動きが重要 |
「4-5歳でこれらの音がうまく出せない場合、言語聴覚士の評価と訓練、必要に応じて手術を検討します。」
ポイント
- サ行・タ行・ラ行に影響しやすい
- 4-5歳で評価
- 言語訓練と手術の組み合わせ
Q5.「経過観察で良いケースは?」
——すぐに手術しなくて大丈夫ですか?
症状がなければ経過観察で問題ありません [5]。
| 経過観察で良いケース | 詳細 |
|---|---|
| 哺乳に問題がない | 体重増加が順調 |
| 軽度の舌小帯短縮 | 舌の動きがある程度保たれている |
| 発音に問題がない | 年齢相応の構音 |
| 経過観察中のポイント |
|---|
| 3-4歳で構音の評価 |
| 食事に支障がないか確認 |
| 口腔衛生への影響をチェック |
「成長とともに舌小帯が自然に伸びることもあります。焦らずに経過を見ていきましょう。」
ポイント
- 症状がなければ経過観察
- 自然に改善することもある
- 3-4歳での構音評価が目安
今号のまとめ
- 舌小帯短縮症は新生児の約3-5%に見られる
- 哺乳困難や構音障害の原因になることがある
- 症状がなければ経過観察でよい
- 新生児期の切開は簡単な処置
- 4-5歳での構音評価が重要
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ご質問・ご感想
「舌小帯が短いと言われました」「発音が心配です」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
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