愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.246
「くる病と言われました」、ビタミンD欠乏症
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「乳児健診でビタミンDが足りないと言われました」というご相談が、ここ数年で本当に増えました。日焼け止めをしっかり塗る、外遊びが減る、母乳だけで育てる。そういった現代の子育てが、思わぬ落とし穴になっています。今回は、外来でよく聞かれるビタミンDの話をまとめます。
Q1.「ビタミンDの役割は?」
——ビタミンDはなぜ大切なのですか?
ビタミンDはカルシウムの吸収と骨の形成に必須のビタミンです [1]。
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 役割 | カルシウム吸収の促進、骨の形成 |
| 供給源 | 日光(紫外線)と食事 |
| 不足の頻度 | 日本の2歳児の約25%が欠乏、約半数が不十分(JECS研究) |
| 食事摂取基準 | 乳児: 5μg/日、小児: 3〜8μg/日(厚労省2020年版) |
| ビタミンDが不足しやすい状況 |
|---|
| 完全母乳栄養(母乳はビタミンDが少ない) |
| 外遊びが少ない(日光に当たらない) |
| 過度な紫外線対策(日焼け止め・帽子・長袖) |
| 偏食(魚・卵を食べない) |
| 色素の濃い肌 |
ポイント
- 骨の形成とカルシウム吸収に必須
- 日光と食事の両方から取り込む
- 2歳児の約25%が欠乏というJECSデータあり
Q2.「くる病とは?」
——くる病はどんな病気ですか?
くる病はビタミンD不足による骨の石灰化障害です [2]。
| 症状 | 詳細 |
|---|---|
| O脚 | 歩き始めの頃に目立つ |
| 頭蓋ろう | 頭蓋骨が柔らかい(乳児) |
| 肋骨念珠 | 肋骨の前面がボコボコする |
| 大泉門閉鎖遅延 | 通常18か月で閉じる |
| 歯の異常 | 歯が生えるのが遅い、エナメル質異常 |
| 低身長 | 成長障害 |
「ひと昔前は教科書でしか見ない病気でしたが、最近は外来で時々遭遇するようになりました。」
ポイント
- O脚や頭蓋骨の軟化が特徴
- 近年増加傾向
- 早期発見・早期治療が重要
Q3.「診断と治療は?」
——どうやって診断しますか?
血液検査とレントゲンで診断します [3]。
| 検査 | 内容 |
|---|---|
| 25(OH)ビタミンD | 血中濃度を測定(不足: <20ng/mL) |
| カルシウム・リン | 低下していることがある |
| ALP | 上昇(骨の代謝を反映) |
| レントゲン | 骨端の杯状変形(くる病の所見) |
| 治療 |
|---|
| ビタミンD製剤(アルファカルシドール等) |
| カルシウムの補充 |
| 適度な日光浴 |
| 食事の見直し |
ポイント
- 血液検査で簡単に診断
- ビタミンD製剤で治療
- 適度な日光浴も大切
Q4.「日光浴はどのくらい必要?」
——紫外線対策と日光浴、どちらが大切ですか?
適度な日光浴は必要です [4]。
| 推奨される日光浴 | 詳細 |
|---|---|
| 時間 | 1日15-30分程度 |
| 部位 | 手や顔に日光が当たれば十分 |
| 季節 | 夏は短時間、冬は長めに |
| 注意 | 長時間の直射日光は避ける |
| バランスの取り方 |
|---|
| 帽子はかぶっても手足には日光を |
| 夏の昼間の長時間直射は避ける |
| 外遊びの習慣をつける |
| 冬場は特に意識して外出 |
「日焼け止めは大事ですが、塗りすぎるとビタミンD不足の引き金になります。手足は出して、顔は守る、くらいのバランス感覚で十分です。」
ポイント
- 1日15-30分の日光浴を推奨
- 手や顔に日光が当たれば十分
- 過度な紫外線対策は避ける
Q5.「食事でできることは?」
——食事で補えますか?
ビタミンDを多く含む食品を積極的に取り入れましょう [5]。
| 食品 | ビタミンD含有量(目安) |
|---|---|
| 鮭 | 非常に多い |
| しらす | 多い。離乳食にも使いやすい |
| きのこ類 | しいたけ(干すとさらに増加) |
| 卵黄 | 手軽に摂れる |
| ビタミンD強化食品 | 牛乳、シリアル等 |
| 母乳栄養児の注意 |
|---|
| 母乳はビタミンDが少ない |
| 米国小児科学会(AAP)は400 IU/日のサプリ補充を推奨 [4] |
| 日本では一律推奨ではないが、完全母乳児では検討する価値あり(要確認) |
| 離乳食からビタミンD豊富な食品を |
ポイント
- 魚・きのこ・卵にビタミンDが豊富
- 完全母乳栄養児はサプリメントを検討
- 干ししいたけはビタミンDが増加
今号のまとめ
- ビタミンD欠乏症は近年増加傾向
- 骨の形成とカルシウム吸収に必須
- 適度な日光浴(1日15-30分)が重要
- 完全母乳栄養児はサプリメントを検討
- 魚・きのこ・卵でビタミンDを補給
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ご質問・ご感想
「ビタミンDのサプリメントは必要ですか」「日光浴の加減が分かりません」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
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