愛育病院 小児科おかもん だより Vol.303
「何枚着せればいい?」、子どもの体温調節と服装の目安
今号のポイント
- 2基本は「大人より1枚少なく」。子どもは代謝が高く暑がり
- 4着せすぎはSIDSのリスク因子。室温管理と薄着が安全
- 6背中に手を入れて汗ばんでいたら着せすぎのサイン
こんにちは。愛育病院小児科のおかもんです。
「こんなに薄着で寒くないの?」と、おじいちゃんおばあちゃんに言われた経験はありませんか?実は子どもは大人より暑がりです。着せすぎ自体にもリスクがあるので、今回は服装の目安を整理しておきます。
Q1.「大人と同じ枚数でいいですか?」
——義母に"寒そうだから"とたくさん着せられるのですが……
子どもは体重あたりの代謝量が大人の約2倍あり、体を動かすことも多いため、大人より暑がりです [1]
服装の基本ルール:
- 乳児(0〜1歳): 大人と同じ枚数か1枚少なく
- 幼児(1歳以上): 大人より1枚少なく
- 活発に動く子: 大人より1〜2枚少なく
ポイント
- 子どもは代謝が高く暑がり [1]
- 基本は「大人より1枚少なく」
- 活発に動く子はさらに薄着でOK
Q2.「室温は何度に設定すればいいですか?」
——エアコンの温度設定に迷います
目安はこちらです
室温の目安
- 夏
- 26〜28℃
- 冬
- 20〜22℃
湿度
- 夏
- 40〜60%
- 冬
- 40〜60%
特に注意してほしいのは冬の暖房のつけすぎです。室温が25℃以上あると、赤ちゃんはうつ熱(体に熱がこもる状態)になりやすくなります
室内での服装の目安(冬):
- 肌着+長袖1枚(計2枚)で十分
- 室内で靴下は不要(足裏は体温調節の放熱部位)
- フリースの着せすぎに注意(通気性が悪い)
室内での服装の目安(夏):
- 肌着1枚、または薄手のロンパース1枚
- エアコンの風が直接当たらないように
ポイント
- 夏26〜28℃、冬20〜22℃が目安
- 室内で靴下は不要(足裏から放熱する)
- 冬の暖房つけすぎ→うつ熱のリスク
Q3.「着せすぎるとSIDSのリスクがあると聞きました」
——本当ですか?怖いです
はい。うつ熱(体温の上昇)はSIDS(乳幼児突然死症候群)のリスク因子の1つとされています [2]
SIDSと温度の関係:
- 着せすぎ(厚着・毛布の重ね掛け)→ うつ熱 → SIDSリスク上昇
- 暖房のつけすぎ → 同上
- 帽子をかぶったまま室内で寝る → 放熱できない
安全な睡眠環境:
- 掛け布団は薄手1枚(顔にかからないよう足元から)
- スリーパー(着る毛布)が安全でおすすめ [3]
- 帽子・ミトンは就寝時に外す
- 室温は20〜22℃(冬)
"寒くないかな"と心配になりますが、お腹や背中が温かければ大丈夫です。手足が冷たいのは正常で、末梢の血管を絞って体温を逃しすぎないようにしている反応なので、冷えていても問題ありません
ポイント
- 着せすぎ・暖房つけすぎはSIDSのリスク因子 [2]
- 寝るときはスリーパーが安全 [3]
- 手足が冷たいのは正常。お腹が温かければOK
Q4.「着せすぎかどうか、どう判断すればいいですか?」
——目安が分かりにくいです
一番簡単な方法は背中チェックです
着せすぎチェック法:
| チェック | 意味 |
|---|---|
| 背中に手を入れて汗ばんでいる | 着せすぎ → 1枚脱がせる |
| 背中が温かくサラサラ | ちょうどいい |
| 背中がひんやり | やや寒い → 1枚足す |
外出時の重ね着の考え方:
- 脱ぎ着しやすい上着で調整(ファスナー付き等)
- 汗をかいたらすぐ着替え(汗冷え防止)
- 帽子は夏は必須(日射病予防)、冬は屋外のみ
- 抱っこ紐の中は密着で暖かいので薄着に
ポイント
- 背中チェックが最も簡単で確実
- 汗ばんでいたら着せすぎ
- 外出は脱ぎ着しやすい重ね着で調整
まとめ
- 基本: 大人より1枚少なく
- 室温: 夏26〜28℃、冬20〜22℃
- SIDS予防: 着せすぎ・暖房つけすぎを避ける。スリーパー推奨
- 判断方法: 背中に手を入れて汗チェック
「寒そう」と感じるのは大人の感覚。子どもの背中を触って確認する習慣をつけましょう。
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