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急性中耳炎の症状と治療|子どもが耳を痛がるとき
Vol.204耳・鼻・のど

急性中耳炎の症状と治療|子どもが耳を痛がるとき

風邪の後に起こりやすい急性中耳炎の症状、抗菌薬の適応、鼓膜切開の判断、自然治癒のタイミングを小児科医が解説します。

耳・鼻・のど全年齢5
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • - 風邪の後に起こりやすい
  • - 3歳までに約80%が経験
  • - 乳幼児は耳管の構造上かかりやすい

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.204

「耳が痛い!」、急性中耳炎

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

急性中耳炎は、小児科・耳鼻科で最も多い疾患の一つです。特に6か月〜3歳の乳幼児に多く、3歳までに約80%の子どもが一度は経験するとされています。風邪に引き続いて起こることが多く、耳の痛みや発熱が特徴です。今回は、急性中耳炎についてお伝えします。

Q1.「中耳炎とは?」

——風邪をひいた後に耳が痛いと言っています

急性中耳炎は、鼻やのどの細菌・ウイルスが耳管を通って中耳に感染して起こります [1]

基本情報詳細
好発年齢6か月〜3歳
頻度3歳までに約80%が経験
原因菌肺炎球菌、インフルエンザ菌が多い
誘因上気道炎(風邪)に続発
季節冬〜春に多い
乳幼児に多い理由
耳管が短く、太く、水平に近い
免疫機能が未熟
アデノイドが大きい

ポイント

  • 風邪の後に起こりやすい
  • 3歳までに約80%が経験
  • 乳幼児は耳管の構造上かかりやすい

Q2.「どんな症状ですか?」

——赤ちゃんは耳が痛いと言えませんが、どう気づけばいいですか?

年齢によって症状の表れ方が異なります [2]

年齢症状
乳児不機嫌、耳を触る・引っ張る、夜泣き、哺乳力低下
幼児耳が痛い、発熱、耳だれ
学童耳痛、難聴感、耳閉感
受診の目安
耳の痛みが強い
38.5℃以上の発熱
耳から液体が出てきた(耳漏)
不機嫌が続く・夜泣きがひどい

「耳を触って不機嫌な場合、中耳炎を疑って受診してください。特に風邪の経過中に急に機嫌が悪くなった場合は要注意です。」

ポイント

  • 乳児は不機嫌・耳を触るのがサイン
  • 風邪の経過中の急な不機嫌に注意
  • 耳だれが出たら受診

Q3.「治療はどうしますか?」

——抗菌薬は必要ですか?

重症度に応じて治療方針が異なります [3]

重症度治療
軽症3日間の経過観察+鎮痛剤。自然に改善することが多い
中等症アモキシシリン(AMPC)内服 5日間
重症高用量AMPC内服、改善なければ鼓膜切開
反復性鼓膜チューブ留置を検討
鎮痛の方法
アセトアミノフェン(カロナール)で痛みを和らげる
耳の周りを冷やす(冷たいタオル)
耳を上にして寝る

「軽症の中耳炎は自然に治ることが多いです。すべての中耳炎に抗菌薬が必要なわけではありません。ただし、2歳未満や重症例は積極的に治療します。」

ポイント

  • 軽症は経過観察でよいことが多い
  • 2歳未満や重症例は抗菌薬を使用
  • 痛みにはアセトアミノフェンを

Q4.「繰り返す場合はどうしますか?」

——何度も中耳炎になります

半年に3回以上、1年に4回以上繰り返す場合を反復性中耳炎と呼びます [4]

反復する原因詳細
保育園での感染集団生活で風邪をもらいやすい
耳管機能の未熟さ成長とともに改善
アデノイド肥大耳管の出口を塞ぐ
アレルギー性鼻炎鼻の炎症が耳管に波及
対策
鼓膜チューブ留置術(中耳の換気を改善)
アデノイド切除術(必要に応じて)
鼻の治療(アレルギー性鼻炎の管理)

「反復性中耳炎は成長とともに改善することがほとんどです。3歳を過ぎると急激に減ることが多いです。」

ポイント

  • 半年に3回以上で反復性中耳炎
  • 鼓膜チューブ留置が有効
  • 3歳以降に減ることが多い

Q5.「中耳炎の予防は?」

——中耳炎を予防できますか?

完全な予防は難しいですが、リスクを減らす方法はあります [5]

予防策内容
肺炎球菌ワクチン中耳炎の原因菌を減らす
母乳育児中耳炎のリスクを約50%低下
受動喫煙の回避中耳炎のリスク因子
鼻吸引鼻水をこまめに吸引
おしゃぶりの制限長時間の使用は中耳炎リスクを上げる

ポイント

  • 肺炎球菌ワクチンが予防に有効
  • 母乳育児はリスクを減らす
  • 鼻水をこまめに吸引する

今号のまとめ

  • 急性中耳炎は3歳までに約80%が経験する
  • 風邪の後の耳痛・不機嫌が中耳炎のサイン
  • 軽症は経過観察、重症は抗菌薬や鼓膜切開
  • 反復性中耳炎は成長とともに改善する
  • 肺炎球菌ワクチンと鼻吸引が予防に有効

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ご質問・ご感想

「中耳炎を繰り返して困っています」「耳を痛がって泣きます」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまの症状についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。

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