愛育病院 小児科おかもん だより Vol.41
「おむつかぶれ?それともカンジダ?」、見分け方と正しい対処法
今号のポイント
- 2おむつかぶれとカンジダは別物。見た目と治療が違う
- 4カンジダは「しわの中も赤い」「衛星病変がある」が特徴
- 6おむつかぶれの薬でカンジダは治らない。むしろ悪化する
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「おむつかぶれの薬を塗っているのに、全然よくならないんです」。外来でよく聞く相談です。よく見るとおむつかぶれではなくカンジダだった、というケースが結構あります。
見た目は似ていても原因がまったく違い、治療法も別物です。今回はこの2つの違いと、正しい対処法をお伝えします。
Q1.「おむつかぶれとカンジダの違いって何ですか?」
——おしりが真っ赤なんですが、おむつかぶれとカンジダって、どう違うんですか?
これ、本当によく聞かれる質問です。原因がまったく違うんですよ
おむつかぶれとカンジダの違い:
おむつかぶれ
- 原因
- おしっこ・うんちの刺激、摩擦 [1]
- 医学用語
- おむつ皮膚炎(Diaper dermatitis)
- 頻度
- 非常に多い(乳児の約50%が経験) [1]
- 治療
- 保湿 + 亜鉛華軟膏 + こまめなおむつ交換
カンジダ(皮膚カンジダ症)
- 原因
- カンジダ菌(真菌)の感染 [2]
- 医学用語
- 皮膚カンジダ症(Candidal diaper dermatitis)
- 頻度
- おむつかぶれの約10〜20%がカンジダ合併 [3]
- 治療
- 抗真菌薬(カビの薬)が必須 [2]
——原因が違うから、治療も違うんですね
そうなんです。おむつかぶれの薬でカンジダは治りません。むしろ、ステロイドを塗るとカンジダは悪化することもあります [2]。だから見分けることが大切なんです
ポイント
- おむつかぶれは刺激・摩擦、カンジダは真菌感染 [1][2]
- 乳児の約50%がおむつかぶれを経験 [1]
- 原因が違うから治療も違う。見分けが重要
Q2.「見た目でどう区別すればいいですか?」
——家で見分けるコツはありますか?
はい、いくつかポイントがあります
おむつかぶれの特徴:
見た目
- おしっこやうんちがよく当たる部分が赤い [1]
- 肛門周囲、おむつの縁が当たる部分が赤くなりやすい
- しわの中は赤くない(ここ重要!)[1]
- ジュクジュクすることもある
経過
- おむつ交換をこまめにすると数日で改善することが多い [1]
- 保湿+亜鉛華軟膏で2〜3日で改善傾向
カンジダの特徴:
見た目
- 真っ赤でツヤツヤ光っている [2]
- しわの中まで赤い(ここがおむつかぶれとの最大の違い!)[2][3]
- 周囲に小さな赤いブツブツ(衛星病変)がある [2]
- 境界がはっきりしている [3]
- 皮がむけていることもある
経過
- おむつ交換をこまめにしてもなかなか治らない [2]
- 2週間以上続くおむつかぶれはカンジダを疑う [3]
——しわの中が赤いかどうかが大事なんですね!
そうです! しわを伸ばして中を見るのがコツです。しわの中まで真っ赤ならカンジダの可能性が高いです [2][3]
ポイント
- おむつかぶれ: しわの中は赤くない、当たる部分だけ赤い [1]
- カンジダ: しわの中も赤い、衛星病変(周囲の小さな赤いブツブツ)あり [2][3]
- 2週間以上治らないおむつかぶれはカンジダを疑う [3]
Q3.「なぜカンジダになるんですか?」
——カンジダって、どうしてなるんですか? 清潔にしていたつもりなんですが……
清潔にしていてもなることがあります。カンジダ菌はもともと体にいる常在菌なんです [2]。特に以下のような時になりやすいです
カンジダになりやすいタイミング:
① 抗生物質を飲んだ後
- 抗生物質で腸内細菌のバランスが崩れる
- カンジダ菌が増えやすくなる [2]
- 抗生物質内服中〜内服後1〜2週間は要注意
② 下痢が続いた後
- 頻回のうんち → おしりの皮膚がふやけて弱る
- カンジダが侵入しやすくなる [3]
- 下痢が長引いているお子さんは要注意
③ おむつかぶれが長引いた後
- 皮膚バリアが壊れている
- カンジダが二次感染しやすい [3]
- 2週間以上治らないおむつかぶれはカンジダ合併を疑う
④ ステロイド外用薬を使った後
- ステロイドは免疫を抑える
- カンジダが増えやすくなる [2]
- おむつかぶれと勘違いしてステロイドを塗り続けると悪化
特に「抗生物質を飲んだ後の下痢で、おむつかぶれがなかなか治らない」というパターンが典型的です [2]
ポイント
- カンジダ菌はもともと体にいる常在菌 [2]
- 抗生物質内服後、下痢が長引いた後になりやすい [2][3]
- おむつかぶれが2週間以上治らないときはカンジダ合併を疑う [3]
Q4.「おむつかぶれの正しいケアを教えてください」
——おむつかぶれにならないためには、どうすればいいですか?
おむつかぶれの予防と治療は「清潔・乾燥・保護」が基本です [1]
おむつかぶれのケア 4ステップ:
ステップ1: こまめなおむつ交換
- おしっこ・うんちをしたらできるだけ早く交換 [1]
- 目安: 2〜3時間に1回
- 下痢のときはうんちのたびに交換
ステップ2: やさしく洗う
- ぬるま湯で洗い流すのがベスト [1]
- おしりふきは刺激になることも。下痢の時は霧吹き+やわらかいガーゼで
- こすらない。ポンポンと押さえるように
ステップ3: しっかり乾かす
- タオルで押さえ拭き [1]
- 可能なら5〜10分おむつなしで乾燥
- ドライヤーの冷風も効果的(熱風はNG)
ステップ4: 保護する
- 亜鉛華軟膏を厚めに塗る [1]
- 皮膚とおしっこ・うんちの間にバリアを作る
- 白く残るくらい厚く塗ってOK
下痢の時は、おしりふきの代わりに霧吹きで温水をシュッシュして、やわらかいガーゼで押さえ拭きすると刺激が少なくてすみますよ [1]
ポイント
- 清潔・乾燥・保護が基本 [1]
- こまめな交換、ぬるま湯で洗い流す、しっかり乾かす [1]
- 亜鉛華軟膏を厚めに(白く残るくらい)[1]
Q5.「カンジダと診断されたら、どう治療しますか?」
——カンジダだった場合、どんな薬を使うんですか?
カンジダは抗真菌薬(カビの薬)が必須です [2]。おむつかぶれの薬では治りません
カンジダの治療:
① 抗真菌薬の外用
- ニゾラールクリーム、マイコスポールクリームなど [2]
- 医師の指示通りの回数(通常1日1〜2回)、しわの中までしっかり塗る
- 1週間〜10日続ける [2]
② おむつかぶれのケアも並行
- こまめなおむつ交換
- やさしく洗って乾かす
- 亜鉛華軟膏で保護
③ ステロイドは使わない
- ステロイドでカンジダは悪化 [2]
- 「赤い=ステロイド」と自己判断しない
- 必ず医師の診察を
抗真菌薬は処方薬です。市販のおむつかぶれの薬では治りません。「2週間以上治らない」「しわの中も赤い」と思ったら、小児科か皮膚科を受診してください [3]
もうひとつ大事なこと。赤ちゃんがカンジダになった時、お口の中も確認してください。鵞口瘡(がこうそう)という口の中のカンジダを合併していることがあります [5]。口の中に白いカスのようなものがついていて、ガーゼでこすっても取れない場合は、鵞口瘡の可能性があります
ポイント
- カンジダは抗真菌薬が必須。市販薬では治らない [2]
- ステロイドは禁忌。悪化する [2]
- 1週間〜10日しっかり塗る [2]
- 口の中(鵞口瘡)も確認を [5]
まとめ
- おむつかぶれは刺激・摩擦、カンジダは真菌感染
- カンジダの特徴: しわの中も赤い、衛星病変、2週間以上治らない [2][3]
- おむつかぶれのケア: 清潔・乾燥・保護。亜鉛華軟膏を厚めに [1]
- カンジダは抗真菌薬が必須。ステロイドは禁忌 [2]
- 2週間以上治らないおむつかぶれは受診を [3]
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