愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.385
同じ年の子と遊べない
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「公園に連れて行っても、一人で砂をいじってばかりで」「お友達と関わろうとしない」。そんなご相談を受けるたび、まず整理したいのは「遊びの発達段階」です。今号では、遊びの発達と、同年齢との関わりが遅いときの考え方を整理します。
遊びの発達段階
Parten(1932)の古典的分類に現代の研究を加えた枠組みでは、子どもの遊びは次の段階を踏んで発達します [1]。
月齢・年齢
- 一人遊び
- 0〜2歳
- 傍観遊び
- 2歳頃
- 平行遊び
- 2〜3歳
- 連合遊び
- 3〜4歳
- 協同遊び
- 4歳〜
内容
- 一人遊び
- 一人で物・自分の身体で遊ぶ
- 傍観遊び
- 他の子の遊びをじっと見る
- 平行遊び
- そばで同じような遊びをするが関わらない
- 連合遊び
- 同じ遊びを共有し、物のやりとりが出る
- 協同遊び
- 役割分担して一緒に遊ぶ(ごっこ遊び等)
つまり、3歳頃までは「一人遊び・平行遊び」が中心なのは正常です [1]。「公園で他の子と関わらない」ことだけで発達を心配するのは早計です。
ポイント
- 2〜3歳は平行遊びが中心で正常 [1]
- 4歳以降に協同遊びが出る
- 「一人で遊ぶ」ことだけでは発達を判断できない
気になる遊びの遅れ
一方で、次のようなパターンが揃うときは、発達相談につなげる価値があります [2][3]。
- 象徴遊び(ごっこ遊び)が3歳を過ぎても出ない
- おもちゃを「本来の遊び方」ではなく並べる・回すことが中心
- 他の子の存在に関心がまったく向かない
- 親や大人との遊びでも交流が乏しい
2024年のSage Autism誌のスコーピングレビューでは、ASDの子どもでは象徴遊び(pretend play)がまったく見られないか、複雑さや変化に乏しいという特徴が繰り返し報告されています [2]。また、2018年の系統的レビューでは、ピア仲介介入(peer-mediated intervention)が、ASDの子どもの社会的遊びを伸ばす効果があると報告されています [3]。
・3歳を過ぎてもごっこ遊びがない ・他の子がいても気づいた様子がない ・おもちゃの使い方が「並べる・回す」中心 ・言葉・視線の遅れも併存している
家庭と外来でできること

おかもん先生より
外来で「公園で他の子と遊ばないんです」と言われるとき、僕はいつも「お母さんと二人で遊ぶときはどうですか?」と聞きます。親との1対1の遊びで笑い合える子なら、大丈夫です。「他の子と遊べる」のはもっと先、4歳頃の発達課題だからです。一方で、親との遊びでも視線が合わず、反応が乏しいお子さんは、早めに発達評価を考えます。「誰と遊ぶか」ではなく、「誰との遊びも成立しないか」のほうが大事なポイントです。
家庭でできることとしては [3]:
- 親との1対1の遊びを丁寧に重ねる
- お兄ちゃん・お姉ちゃん(少し年上)との関わりを作る
- 支援センターや療育で、小グループの遊びを少しずつ経験する
- 「遊べ」と強制せず、本人のペースを尊重する
今号のまとめ
- 2〜3歳の平行遊びは正常。協同遊びは4歳以降
- 象徴遊びの遅れ、交流への関心の薄さは要相談
- 親との1対1の遊びが成立していれば、多くは時間で解決
- ピア仲介介入は遊びスキルを伸ばすエビデンスがある
愛育病院 小児科 おかもん先生
本記事の内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまの症状についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。