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ネットいじめから子どもを守る。親が知っておくべきサインと対応
Vol.494メンタルヘルス

ネットいじめから子どもを守る。親が知っておくべきサインと対応

ネットいじめは目に見えにくいからこそ、家庭での気づきが重要です。サインの見つけ方と具体的な対処法を解説します

メンタルヘルス5
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 問収録

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この記事のポイント

  • ネットいじめは従来のいじめより24時間続き、拡散性が高く逃げ場がない
  • うつ症状、自傷行為、学力低下との関連がメタ解析で確認されている
  • 家庭でのオープンな会話と、スマホのルール設定が最も効果的な予防策

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.494

ネットいじめから子どもを守る。親が知っておくべきサインと対応

今号のポイント

  1. 2
    ネットいじめは従来のいじめより24時間続き、拡散性が高く逃げ場がない
  2. 4
    うつ症状、自傷行為、学力低下との関連がメタ解析で確認されている
  3. 6
    家庭でのオープンな会話と、スマホのルール設定が最も効果的な予防策

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

スマートフォンやタブレットが身近になった今、子どもたちの人間関係はオンラインにも広がっています。令和5年度の文部科学省調査では、いじめの認知件数は約73万件で過去最多を記録し、その中にはSNSやメッセージアプリを通じたネットいじめも含まれています。今号では、ネットいじめの特徴と、保護者としてできることを整理します。

ネットいじめの特徴

従来の対面のいじめとネットいじめには、いくつかの重要な違いがあります [1]。

対面のいじめ

時間
主に学校にいる間
範囲
目撃者が限定される
匿名性
加害者が特定しやすい
証拠
目撃証言に依存
逃げ場
自宅に帰れば一旦離れられる

ネットいじめ

時間
24時間、自宅にいても続く
範囲
スクリーンショットで拡散される
匿名性
匿名アカウントで行われることがある
証拠
デジタル記録が残る(消される場合も)
逃げ場
スマホがある限り逃げ場がない

子どもの心身への影響

メタ解析では、ネットいじめの被害が以下の精神的健康上の問題と関連することが報告されています [2][3]。

影響研究での知見
うつ症状中等度から重度の抑うつとの有意な関連 [2]
不安症状社交不安や全般性不安の増加
自傷・自殺念慮被害者だけでなく加害者にもリスクが上昇 [3]
身体症状頭痛、腹痛、不眠などの心身症
学業成績集中力の低下、不登校への移行
⚠️

ネットいじめの被害を受けている子どもの多くは、親に相談しません。「スマホを取り上げられるのが怖い」「親に心配をかけたくない」という理由が上位に挙がっています。子どもが話してくれたとき、まず端末を取り上げるのではなく、話してくれたことに感謝の気持ちを伝えてください。

家庭で気づけるサイン

カテゴリ注意すべき変化
デバイスの使い方通知が来ると表情が変わる、画面を隠す、突然SNSをやめる
感情面イライラが増える、涙もろくなる、怒りっぽくなる
行動面友人関係が急に変わる、外出を避ける、学校に行きたがらない
身体面不眠、食欲低下、原因不明の腹痛や頭痛

予防と対応の具体策

対策内容
家庭内のルール作り使用時間、使用場所(リビングのみなど)、年齢に応じたアプリの制限を事前に決める
オープンな会話「ネットで嫌なことがあったら教えてね。端末は取り上げないから」と日頃から伝える
デジタルリテラシー教育「一度送ったものは取り消せない」「スクリーンショットは残る」ことを具体的に教える
証拠の保存被害を受けた場合はスクリーンショットを保存しておく
学校との連携担任やスクールカウンセラーに相談し、学校での対応を依頼する

研究では、家庭内のオープンなコミュニケーションと親の温かいサポートが、ネットいじめによる精神的影響を緩和する最も強力な保護因子であることが示されています [4]。

💡

フィルタリングや利用制限は大切ですが、それだけでは不十分です。子どもが「困ったときに親に話せる」と感じている関係性こそが、最も効果的な防御壁になります。技術的な対策と信頼関係の両方を育ててください。

相談先

相談先連絡先
24時間子供SOSダイヤル0120-0-78310
法務局子どもの人権110番0120-007-110
警察相談ダイヤル#9110
学校のスクールカウンセラー学校を通じて予約
インターネット違法・有害情報相談センターhttps://www.ihaho.jp [5]
コンコン先生
🏥

おかもん先生より

ある中学生の男の子が、原因不明の腹痛と不眠で受診しました。身体的な検査では異常がなく、少し時間をかけて話を聞いてみると、クラスのグループLINEで自分だけ返事をもらえない「既読スルー」が数か月続いていると教えてくれました。大人から見れば些細なことに思えるかもしれませんが、子どもにとっては毎日続く無視は心に深い傷を残します。「たかがSNS」と軽く見ず、子どもの訴えに耳を傾けてあげてください。

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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