愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.85
「咳が止まらない、息ができない……」、百日咳についてのギモンに答えます
今号のポイント
- 2百日咳は3つの時期(カタル期→痙咳期→回復期)をたどる感染症。特にカタル期に感染力が最も強い
- 4生後6ヶ月未満の赤ちゃんでは無呼吸発作・チアノーゼなど命に関わる重症例がありうる
- 6ワクチン(4種混合: DPT-IPV)は有効だが5〜8年で効果が減弱。早期のマクロライド系抗菌薬投与が重要
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「咳がもう3週間も止まらないんです」「咳込んで顔が真っ赤になって、最後に"ヒューッ"と息を吸うんです」「赤ちゃんが咳の後に息が止まったように見えて……」、こうした症状のお子さんを診たとき、小児科医が必ず考える疾患の一つが百日咳です [1][2]。
百日咳はワクチンの普及により激減しましたが、決してなくなった病気ではありません [1][3]。特に、ワクチン未接種の赤ちゃんや、ワクチンの効果が薄れた年長児・成人からの感染が問題になっています。今回は、百日咳について詳しくお伝えします。
Q1.「百日咳って何ですか? どんな症状がありますか?」
——5歳の息子が3週間くらい咳が続いています。最近は夜中に"コンコンコンコン……ヒューッ"と激しく咳込んで、苦しそうです。百日咳の可能性はありますか?
その咳の特徴、連続する咳込みの後に"ヒューッ"と息を吸い込む(whoop: フープ)、は、百日咳に特徴的な症状です [1][2]。百日咳について詳しくご説明しますね
百日咳の基本情報 [1][2][3]:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原因菌 | 百日咳菌(Bordetella pertussis) [1] |
| 感染経路 | 飛沫感染(咳やくしゃみから) [1] |
| 潜伏期間 | 7〜10日(範囲: 5〜21日)[1][2] |
| 感染力 | 非常に強い。家庭内接触での二次感染率は約80% [1][3] |
| 好発年齢 | あらゆる年齢だが、重症化は乳児(特に生後6ヶ月未満)[2][3] |
百日咳の3つの時期(病期)[1][2]:
| 時期 | 期間 | 主な症状 | 感染力 |
|---|---|---|---|
| カタル期 | 1〜2週間 | 鼻水、くしゃみ、微熱、軽い咳。普通の風邪と区別がつかない [1][2] | 最も強い |
| 痙咳期(けいがいき) | 2〜8週間 | 特徴的な咳発作: 短い咳が連続(スタッカート状)→最後に"ヒューッ"と吸気(whoop)→嘔吐することも [1][2] | 徐々に低下 |
| 回復期 | 数週間〜数ヶ月 | 咳発作が徐々に減少・軽減。完全消失まで数ヶ月かかることも [1] | ほとんどなし |
百日咳という名前は、"咳が100日(約3ヶ月)続く"ことに由来しています [1]。実際に、治るまでに2〜3ヶ月かかることは珍しくありません
痙咳期の咳発作の特徴 [1][2]:
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| スタッカート状の連続咳 | 「コンコンコンコンコン……」と息つく間もなく連続する [1] |
| Whoop(フープ) | 咳込みの最後に「ヒューッ」と笛のような音で息を吸い込む [1][2] |
| 咳後嘔吐 | 激しい咳込みの後に嘔吐する [2] |
| 顔面紅潮・チアノーゼ | 咳込み中に顔が真っ赤〜紫色になる [2] |
| 発作間欠期は元気 | 咳発作と咳発作の間は比較的元気。発熱は目立たない [1] |
| 夜間〜早朝に悪化 | 咳発作は夜間に多い傾向 [1] |
——まさにその通りの症状です……。でも、熱はないんですよね
百日咳の重要な特徴として、高熱を伴わないことが多いという点があります [1]。"熱はないのに咳だけがひどい""3週間以上咳が続く"、この組み合わせは百日咳を疑う大きなポイントです [2]
ポイント
- 百日咳はカタル期→痙咳期→回復期の3期をたどる [1][2]
- カタル期は風邪と区別がつかないが、この時期が最も感染力が強い [1]
- 痙咳期の特徴はスタッカート状の咳+whoop(ヒューッ)+咳後嘔吐 [1][2]
- 高熱を伴わないことが多い。「熱なし+3週間以上の咳」は百日咳を疑う [1][2]
Q2.「赤ちゃんの百日咳は特に危険だと聞きましたが、本当ですか?」
——生後2ヶ月の下の子もいるんですが、上の子が百日咳だとしたら、赤ちゃんにうつりますか? 赤ちゃんの百日咳は危険だと聞いて心配です……
これは非常に重要なご質問です。百日咳は生後6ヶ月未満の赤ちゃんにとって、命に関わる危険な感染症です [2][3][4]
乳児の百日咳が特に危険な理由 [2][3][4]:
| 理由 | 説明 |
|---|---|
| ワクチン未完了 | 4種混合ワクチンの初回は生後2ヶ月から。3回接種完了(生後6ヶ月頃)までは免疫が不十分 [3][5] |
| 母体からの移行抗体が少ない | 百日咳の移行抗体(胎盤経由)は量が少なく、生後数週間で消失 [4] |
| 典型的なwhoopが出にくい | 乳児では「咳込み→whoop」ではなく、無呼吸発作(apnea)として現れることがある [2][4] |
| 合併症のリスクが高い | 肺炎、脳症、けいれんなどの重篤な合併症 [4] |
乳児の百日咳の症状の特徴 [2][4]:
| 年長児・成人の典型的症状 | 乳児(特に生後6ヶ月未満)の症状 |
|---|---|
| 連続する咳込み+whoop | 無呼吸発作(apnea)が主症状のことがある [4] |
| 咳後嘔吐 | チアノーゼ(顔色・唇が青紫色になる)[4] |
| 発作間欠期は元気 | 哺乳力低下、ぐったり [4] |
| 発熱は目立たない | 発熱は目立たない(同様)[2] |
百日咳による重篤な合併症(主に乳児)[2][3][4]:
| 合併症 | 頻度・説明 |
|---|---|
| 肺炎 | 百日咳による死亡の最も多い原因。乳児の約20%に合併 [3][4] |
| 無呼吸発作 | 特に新生児・低月齢児。突然呼吸が止まる [4] |
| 百日咳脳症 | 低酸素や毒素による脳障害。けいれん、意識障害 [4] |
| 肺高血圧症 | 重症例で見られる。致死的となりうる [4] |
| 体重減少 | 頻回の嘔吐と哺乳困難による栄養障害 [2] |
百日咳の死亡率 [3][4]:
| 年齢 | 致死率 |
|---|---|
| 生後1ヶ月未満 | 約1〜3% [4] |
| 生後1〜3ヶ月 | 約0.5〜1% [3][4] |
| 生後4〜11ヶ月 | 約0.1〜0.3% [3] |
| 1歳以上 | 極めて低い [3] |
| 成人 | 死亡はまれだが、肋骨骨折や尿失禁などのQOL低下 [3] |
——すぐに小児科に連れて行きます。下の子を守るにはどうすればいいですか?
上のお子さんの診断を急ぐとともに、下のお子さんへの予防投薬について医師と相談してください [6]。また、上のお子さんが百日咳と診断された場合、家族全員が予防のための抗菌薬を内服することが推奨されます [6](Q5で詳しく説明します)
ポイント
- 生後6ヶ月未満の赤ちゃんの百日咳は命に関わる [2][3][4]
- 乳児では典型的なwhoopではなく無呼吸発作・チアノーゼとして現れることがある [4]
- 肺炎、百日咳脳症、肺高血圧症など重篤な合併症のリスク [4]
- 生後1ヶ月未満の致死率は約1〜3% [4]
- 家族に百日咳患者がいる場合、乳児への予防投薬が重要 [6]
Q3.「ワクチンを打っていれば大丈夫ですよね? なぜかかるんですか?」
——うちの上の子は4種混合ワクチンをちゃんと打っています。それなのに百日咳にかかる可能性があるんですか?
とても良い質問です。ワクチンを打っていても百日咳にかかる可能性はあります [5][7]。これは、百日咳ワクチンの効果が時間とともに減弱するためです [7]
日本の百日咳ワクチン接種スケジュール [5]:
時期
- 1回目
- 生後2ヶ月
- 2回目
- 生後3ヶ月
- 3回目
- 生後4ヶ月
- 追加接種
- 1歳〜1歳6ヶ月
- ※5種混合(2024年4月〜)
- 上記と同スケジュール
ワクチン
- 1回目
- 4種混合(DPT-IPV)
- 2回目
- 4種混合(DPT-IPV)
- 3回目
- 4種混合(DPT-IPV)
- 追加接種
- 4種混合(DPT-IPV)
- ※5種混合(2024年4月〜)
- 5種混合(DPT-IPV-Hib)も選択可
ワクチンの効果は、追加接種後約5〜8年で有意に減弱することが知られています [7][8]
ワクチン効果の経年変化 [7][8]:
| 接種からの期間 | ワクチン効果(推定) |
|---|---|
| 接種直後(1年以内) | 約85〜90% [7] |
| 3年後 | 約70〜80% [7] |
| 5年後 | 約50〜70% [7][8] |
| 8〜10年後 | 約30〜40% [8] |
つまり、4種混合の追加接種(1歳半頃)から5〜8年経った小学校中〜高学年以降は、ワクチンの効果が薄れている可能性があります [7][8]。これが、年長児や成人で百日咳が増えている原因の一つです
百日咳が今でも問題になる理由 [3][7][8][9]:
| 要因 | 説明 |
|---|---|
| ワクチン効果の減弱 | 5〜8年で効果が低下。学童期後半〜思春期にリスク上昇 [7][8] |
| 思春期〜成人のブースター未接種 | 日本では学童期以降の百日咳ブースター接種が定期接種に含まれていない [5][9] |
| 成人の百日咳が感染源 | 効果が薄れた成人が感染→軽症で診断されず→乳児にうつす [3][9] |
| カタル期の診断困難 | 最も感染力が強い時期に「ただの風邪」と見なされる [1] |
コクーニング(cocooning: 繭戦略)[9]:
コクーニングとは、赤ちゃんの周囲にいる家族(両親、きょうだい、祖父母など)が百日咳のワクチンを接種することで、赤ちゃんを"繭(まゆ)"のように守るという考え方です [9]
| コクーニングの対象 | 推奨内容 |
|---|---|
| 妊婦 | 妊娠27〜36週にTdapワクチンを接種(海外の推奨)[9] |
| 両親 | 赤ちゃんの出生前にTdap接種 [9] |
| きょうだい | 年齢に応じたワクチン接種を確認 [9] |
| 祖父母 | Tdapの追加接種を検討 [9] |
おかもん先生のメモ: 日本では、思春期のTdap(三種混合ワクチン追加接種)はまだ定期接種に含まれていませんが、任意接種として受けることが可能です [5][9]。特に、乳児がいるご家庭では、家族のワクチン歴を確認することをおすすめします。2024年以降、一部の自治体で学童期のDPTブースター接種への助成が始まっています。
ポイント
- 4種混合ワクチン(DPT-IPV)の効果は5〜8年で減弱 [7][8]
- 小学校中〜高学年以降はワクチン効果が低下している可能性 [7]
- 効果が薄れた年長児・成人が気づかずに乳児に感染させるパターンが問題 [3][9]
- コクーニング(繭戦略): 赤ちゃんの周囲の家族がワクチンを打って守る [9]
- 日本では思春期のブースター接種は任意。かかりつけ医に相談を [5][9]
Q4.「百日咳はどうやって治療するんですか?」
——百日咳と診断されたら、どんな治療をするんですか? 抗生物質で治りますか?
百日咳の治療にはマクロライド系抗菌薬が使用されます [6][10]。ただし、治療開始のタイミングが非常に重要です [6]
百日咳の治療薬 [6][10]:
| 薬剤 | 用法 | 投与期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アジスロマイシン(ジスロマック) | 1日1回 | 5日間 | 小児に最も使いやすい。1日1回で服薬しやすい [6][10] |
| クラリスロマイシン(クラリス) | 1日2回 | 7日間 | エビデンスが豊富 [6] |
| エリスロマイシン | 1日3〜4回 | 14日間 | 古典的な第一選択だが、投与回数が多く消化器症状が出やすい [6][10] |
おかもん先生のメモ: 現在はアジスロマイシン5日間投与が最も広く推奨されています [6][10]。投与が1日1回で済み、投与期間も短いため、小児にとって服薬負担が少ないです。
生後1ヶ月未満の新生児 [6]:
| 注意点 | 説明 |
|---|---|
| アジスロマイシンが推奨 | エリスロマイシンは新生児の幽門狭窄症のリスクがあるため避ける [6] |
| 入院管理 | 無呼吸発作のモニタリングのため入院が望ましい [4][6] |
治療開始のタイミングと効果 [6][10]:
症状への効果
- カタル期(発症1〜2週以内)
- 症状の軽減・短縮が期待できる [6]
- 痙咳期の早期(発症3週頃まで)
- 症状軽減効果は限定的 [10]
- 痙咳期の後期(発症3週以降)
- 症状への効果はほとんどない [10]
感染力への効果
- カタル期(発症1〜2週以内)
- 感染力を抑える [6]
- 痙咳期の早期(発症3週頃まで)
- 感染力を抑える効果はある [6]
- 痙咳期の後期(発症3週以降)
- 感染力は自然に低下済み [6]
ここが重要なポイントです。百日咳の抗菌薬治療は"早ければ早いほど効果が高い"のです [6][10]。特にカタル期(発症1〜2週以内)に開始できれば、症状の軽減が期待できます [6]。しかし、カタル期は"ただの風邪"と区別がつかないため、この時期に診断されることは少ないのが現実です [1]
では、痙咳期に診断された場合は抗菌薬を使わないのか? いいえ、痙咳期でも抗菌薬は投与します [6]。なぜなら、症状への効果は限定的でも、周囲への感染拡大を防ぐ効果があるからです [6]
抗菌薬以外の治療・ケア [2][4][6]:
| ケア | 内容 |
|---|---|
| 水分・栄養 | 咳込みで嘔吐しやすいため、少量頻回で水分・食事を摂る [2] |
| 環境調整 | 乾燥した空気、煙、強い臭いは咳を誘発するため避ける [2] |
| 体位 | 嘔吐時の誤嚥を防ぐため、咳込み時はやや前傾姿勢に [2] |
| 入院基準 | 生後6ヶ月未満、無呼吸発作、チアノーゼ、哺乳不良、脱水 [4][6] |
| 鎮咳薬 | 効果はほとんどない。百日咳の咳には一般的な咳止めは効かない [10] |
——咳止めが効かないんですね……。それは辛いですね
はい、これが百日咳の辛いところです。咳自体は百日咳菌の毒素による気道の過敏性が原因で、菌が排除された後も咳が続くのです [1][10]。時間とともに必ず軽快しますので、焦らずにお子さんを支えてあげてください
ポイント
- 治療はマクロライド系抗菌薬。アジスロマイシン5日間が主流 [6][10]
- カタル期(発症1〜2週以内)の早期開始が最も効果的 [6]
- 痙咳期でも感染拡大防止のため抗菌薬は投与 [6]
- 一般的な咳止めは効かない。百日咳の咳は毒素による気道過敏性が原因 [10]
- 生後6ヶ月未満・無呼吸発作は入院適応 [4][6]
Q5.「家族にうつりますか? 保育園はいつから行けますか?」
——上の子が百日咳だとしたら、私や夫、下の赤ちゃんにうつりますか? 保育園はいつから登園できますか?
百日咳の家庭内感染率は約80%と非常に高いです [1][3]。家族全員への対応が重要です [6][11]
家族内感染予防 [6][11]:
| 対象 | 推奨される対応 |
|---|---|
| 同居家族全員 | 暴露後予防投薬(PEP)が推奨される [6][11] |
| 特に優先度が高い | 乳児(生後12ヶ月未満)、妊婦(妊娠後期)、免疫不全者 [6] |
| 使用薬剤 | 治療と同じマクロライド系抗菌薬(アジスロマイシン5日間等)[6] |
| PEP開始時期 | 暴露から21日以内に開始 [6][11] |
暴露後予防投薬(PEP)の推奨 [6][11]:
| 暴露者 | 推奨 |
|---|---|
| 生後12ヶ月未満の乳児 | 全例にPEP [6] |
| 妊娠後期の妊婦 | PEP推奨 [6] |
| 乳児と密接に接触する人(保護者、保育士等) | PEP推奨 [6][11] |
| ワクチン未接種・接種不完全な小児 | PEP推奨 [11] |
| 上記以外の家族・接触者 | 医師と相談のうえ個別に判断 [6] |
お子さんが百日咳と診断された場合、家族全員(お母さん、お父さん、赤ちゃん)に予防の抗菌薬を投与することが強く推奨されます [6][11]。特に、生後2ヶ月の下のお子さんには最優先でPEPを開始してください
出席停止基準 [11][12]:
保育園・幼稚園・学校の出席停止基準についてご説明します
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 学校保健安全法 | 百日咳は第二種感染症に指定 [12] |
| 出席停止の解除条件 | 「特有の咳が消失するまで」または「5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで」[12] |
| 実際の運用 | 多くの場合、抗菌薬5日間投与完了後に登園・登校可能と判断される [6][12] |
| 状況 | 出席停止期間の目安 |
|---|---|
| 抗菌薬投与あり | 抗菌薬投与開始から5日間は出席停止 [6][12] |
| 抗菌薬投与なし | 咳の発症から3週間は出席停止 [11][12] |
感染力の持続期間 [1][6]:
| 状況 | 感染力の持続 |
|---|---|
| 抗菌薬投与あり | 投与開始から5日後には感染力がほぼ消失 [6] |
| 抗菌薬投与なし | 咳の発症から約3週間は感染力あり [1] |
日常生活での感染予防 [1][6][11]:
| 対策 | 具体的に |
|---|---|
| 咳エチケット | マスクの着用、咳をする時は口を覆う [11] |
| 手洗い | 石鹸と流水で丁寧に。特に咳・鼻をかんだ後 [11] |
| 乳児との接触制限 | 患者(および疑い者)は乳児との密接な接触を避ける [6] |
| 換気 | 室内の換気を十分に行う [11] |
| タオル等の共有を避ける | 飛沫がついたものの共有を避ける [11] |
——家族全員に予防の薬を飲ませるんですね。すぐにかかりつけに相談します
はい、それが最善です。百日咳は家族ぐるみで対策する感染症です [6][11]。特に赤ちゃんがいるご家庭では、"大人の長引く咳"も百日咳の可能性を考えることが大切です。成人の百日咳は軽症のことが多く見逃されやすいのですが、それが赤ちゃんへの感染源になるのです [3][9]
ポイント
- 家庭内感染率は約80%。家族全員への暴露後予防投薬(PEP)が推奨される [1][6][11]
- 特に乳児(12ヶ月未満)と妊婦へのPEPは最優先 [6]
- 出席停止は抗菌薬5日間投与完了まで、または特有の咳が消失するまで [6][12]
- 抗菌薬なしの場合は発症から3週間感染力が持続 [1]
- 成人の長引く咳も百日咳の可能性。乳児への感染源になりうる [3][9]
まとめ
- 百日咳は百日咳菌(Bordetella pertussis)による感染症で、カタル期→痙咳期→回復期の3期をたどる [1][2]
- 生後6ヶ月未満の赤ちゃんでは無呼吸発作・チアノーゼ・肺炎など重篤な合併症があり、致死率は新生児で1〜3% [3][4]
- 4種混合ワクチン(DPT-IPV)は有効だが5〜8年で効果が減弱。年長児・成人が気づかず感染源になる [7][8][9]
- 治療はマクロライド系抗菌薬(アジスロマイシン5日間が主流)。早期開始が重要 [6][10]
- 家庭内感染率は約80%。家族全員への予防投薬と、5日間の抗菌薬投与後に出席停止解除 [6][11][12]
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