コンテンツへスキップ
MINATON
おへその手入れ、どうすればいい? 消毒・乾燥のコツと臍肉芽腫のこと
Vol.469健診

おへその手入れ、どうすればいい? 消毒・乾燥のコツと臍肉芽腫のこと

臍の緒が取れるまでの消毒と乾燥のポイント、臍肉芽腫や臍炎の見分け方と対処法をわかりやすく解説します

健診6
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 問収録

プロフィール →

この記事のポイント

  • 臍の緒は生後1-2週間で自然に脱落する。清潔と乾燥を保つことが最も大切
  • 脱落後に残る赤いしこり(臍肉芽腫)は硝酸銀による焼灼で治療できる
  • 臍周囲の発赤・腫脹・悪臭は臍炎の可能性があり、早めの受診が必要

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.469

おへその手入れ、どうすればいい? 消毒・乾燥のコツと臍肉芽腫のこと

今号のポイント

  1. 2
    臍の緒は生後1-2週間で自然に脱落する。清潔と乾燥を保つことが最も大切
  2. 4
    脱落後に残る赤いしこり(臍肉芽腫)は硝酸銀による焼灼で治療できる
  3. 6
    臍周囲の発赤・腫脹・悪臭は臍炎の可能性があり、早めの受診が必要

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

退院してから最初に戸惑うケアのひとつが「おへそ」ではないでしょうか。臍の緒がまだついている状態、ジュクジュクしている状態、脱落した後にできる赤いしこり。どれも初めてだと心配になりますよね。今号では、おへそのケアの基本と、注意すべきサインを整理します。

臍の緒はいつ取れるのか

臍の緒は通常、生後5日から2週間ほどで自然に乾燥して脱落します [1]。入院中に取れる赤ちゃんもいれば、退院後しばらくしてから取れる赤ちゃんもいます。脱落時期には個人差がありますので、2週間を過ぎてもまだついている場合でも、感染の徴候がなければ焦る必要はありません。

大切なのは「清潔と乾燥」を保つこと。日本では消毒用アルコール(エタノール)を用いた消毒が広く行われていますが、WHOは清潔な環境での出産であれば「ドライケア(乾燥させるだけで消毒しない)」でも十分としています [2]。ただし、日本の医療施設では消毒を指導されることが多いので、入院中に教わった方法を継続するのがよいでしょう。

💡おへそケアの手順

沐浴後、清潔な綿棒に消毒用アルコールを含ませ、臍の緒の根元をやさしく拭きます。臍の緒を軽く持ち上げて、付け根の部分にしっかり消毒液が届くようにするのがポイントです。その後はおむつを折り返して臍が覆われないようにし、乾燥を促します。

脱落後にジュクジュクする場合

臍の緒が取れた後、数日間は少量の出血やにじみがあることは珍しくありません。沐浴のたびに消毒を続け、乾燥を保てば通常1週間ほどで乾いてきます。

ただし、脱落後に赤くて湿った小さなしこりが残ることがあります。これが「臍肉芽腫(さいにくがしゅ)」です。臍の緒が取れた後に残った組織が過剰に増殖したもので、新生児の臍トラブルとしては最も多いものです [3]。

臍肉芽腫の治療は、硝酸銀による焼灼が一般的です。外来で硝酸銀の棒やスティックを肉芽に軽く当てて組織を縮小させる処置で、痛みはほとんどありません。数回の処置が必要なこともありますが、多くの場合2-3週間以内に治癒します [3]。

臍炎に注意するサイン

臍周囲が赤く腫れている、膿が出ている、悪臭がある場合は「臍炎(さいえん)」の可能性があります。臍炎は臍の傷口から細菌が感染して起こるもので、まれに重症化すると腹壁の壊死性筋膜炎や敗血症に進行する危険があります [4]。

⚠️すぐに受診すべきサイン

臍周囲の皮膚が赤く広がっている、臍から膿や悪臭のある分泌物が出る、赤ちゃんの元気がない・哺乳力が落ちている。これらの症状がある場合は臍炎の可能性があるため、すぐに小児科を受診してください。

まれだけれど知っておきたいこと

臍肉芽腫の処置を繰り返してもジュクジュクが治らない場合や、臍から透明または尿のような液体が持続的に出る場合は、「尿膜管遺残」という先天的な構造の問題が隠れていることがあります [5]。胎児期に膀胱と臍をつないでいた管(尿膜管)が閉鎖しないまま残っている状態で、精密検査と場合によっては手術が必要です。

また、臍の緒の脱落が生後3週間を過ぎても起こらない場合は、白血球の機能異常(白血球接着不全症)が背景にあるまれなケースが報告されています [4]。1ヶ月健診までに脱落していなければ、健診時に相談しましょう。

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

外来で「おへそから赤いものが出ている」と心配して来られるお母さんは本当に多いです。たいていは臍肉芽腫で、硝酸銀の処置を1-2回行えばきれいに治ります。先日も生後3週間の赤ちゃんのお母さんが、おへそのジュクジュクが止まらないと来院されました。診察してみると小さな臍肉芽腫がありました。その場で処置をして、1週間後には完全に乾いていました。お母さんの「もっと早く来ればよかった」という言葉が印象的でした。迷ったら早めに見せてもらったほうが、お互いに安心です。

今号のまとめ

  • 臍の緒は生後5日から2週間で自然に脱落する。清潔と乾燥を保つのが基本 [1]
  • 日本では消毒用アルコールによるケアが一般的。WHOは清潔環境ではドライケアも推奨 [2]
  • 脱落後の赤いしこり(臍肉芽腫)は硝酸銀焼灼で治療可能 [3]
  • 臍周囲の発赤・膿・悪臭は臍炎のサイン。早めの受診を [4]

あわせて読みたい

ご質問・ご感想

「こんなこと聞いていいのかな?」というギモンこそ大歓迎です。 外来受診時にお気軽にお声がけいただくか、質問フォームからお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

この記事は役に立ちましたか?

※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

関連記事

「1ヶ月健診、何を聞かれるの?」 体重・吐き戻し・おへそ・目やに、よくある不安に全部答えます
Vol.10健診

「1ヶ月健診、何を聞かれるの?」 体重・吐き戻し・おへそ・目やに、よくある不安に全部答えます

1ヶ月健診でよくある質問と回答

  • 体重増加は1日25〜30gが目安だが個人差が大きい。成長曲線に沿っていれば大丈夫
  • 吐き戻し・臍ヘルニア・目やに・顔のブツブツ、ほとんどが自然に治るので過度な心配は不要
0〜6ヶ月
読む
新生児の「これ普通?」な皮膚所見。サーモンパッチ、脂漏性湿疹、新生児ざ瘡
Vol.476皮膚

新生児の「これ普通?」な皮膚所見。サーモンパッチ、脂漏性湿疹、新生児ざ瘡

新生児によく見られる皮膚の変化(サーモンパッチ、脂漏性湿疹、新生児ざ瘡、粟粒疹、中毒性紅斑など)の特徴と経過を解説します

  • サーモンパッチ(正中部母斑)は新生児の30-80%に見られる赤いあざで、多くは1-2歳で消える
  • 新生児ざ瘡、脂漏性湿疹、粟粒疹、中毒性紅斑はすべて一時的で、治療を要さないことがほとんど
読む
1ヶ月健診で何を見る? 体重、黄疸、股関節、心臓のチェックポイント
Vol.477健診

1ヶ月健診で何を見る? 体重、黄疸、股関節、心臓のチェックポイント

1ヶ月健診の検査項目と目的を解説。体重増加、黄疸、股関節脱臼、先天性心疾患のスクリーニングについて知っておきたいこと

  • 1ヶ月健診では体重増加、黄疸、股関節、心音、外性器、神経学的反射など全身をチェックする
  • 股関節脱臼のスクリーニングは早期発見が重要。開排制限やクリック音が確認ポイント
読む