コンテンツへスキップ
MINATON
新生児の「これ普通?」な皮膚所見。サーモンパッチ、脂漏性湿疹、新生児ざ瘡
Vol.476皮膚

新生児の「これ普通?」な皮膚所見。サーモンパッチ、脂漏性湿疹、新生児ざ瘡

新生児によく見られる皮膚の変化(サーモンパッチ、脂漏性湿疹、新生児ざ瘡、粟粒疹、中毒性紅斑など)の特徴と経過を解説します

皮膚6
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 問収録

プロフィール →

この記事のポイント

  • サーモンパッチ(正中部母斑)は新生児の30-80%に見られる赤いあざで、多くは1-2歳で消える
  • 新生児ざ瘡、脂漏性湿疹、粟粒疹、中毒性紅斑はすべて一時的で、治療を要さないことがほとんど
  • 自然に消えるものと経過観察が必要なものを見分けるポイントは「大きさの変化」「色調」「分布」

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.476

新生児の「これ普通?」な皮膚所見。サーモンパッチ、脂漏性湿疹、新生児ざ瘡

今号のポイント

  1. 2
    サーモンパッチ(正中部母斑)は新生児の30-80%に見られる赤いあざで、多くは1-2歳で消える
  2. 4
    新生児ざ瘡、脂漏性湿疹、粟粒疹、中毒性紅斑はすべて一時的で、治療を要さないことがほとんど
  3. 6
    自然に消えるものと経過観察が必要なものを見分けるポイントは「大きさの変化」「色調」「分布」

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

生まれたばかりの赤ちゃんの肌を見て「これ何?」と驚くことは珍しくありません。赤いあざ、白いブツブツ、黄色いかさぶた、赤い発疹。初めてのお子さんだと、どれも心配になりますよね。今号では、新生児によくある皮膚所見を整理して、「これは普通」「これは相談を」の判断ポイントをお伝えします。

サーモンパッチ(正中部母斑、単純性血管腫)

額の中央、まぶた、鼻の付け根、うなじなどに見られるピンクから薄赤色の平らなあざです。「天使のキス」(顔面)や「コウノトリのくちばし」(うなじ)とも呼ばれます。

新生児の30-80%に見られる、最も一般的な血管性母斑です [1]。皮膚の浅い部分の毛細血管が拡張しているだけで、腫瘍ではありません。泣いたり入浴したりすると赤みが強くなるのが特徴です。

顔面のサーモンパッチは多くが1-2歳までに消退します。一方、うなじ(ウンナ母斑)は成人まで残ることがありますが、髪に隠れるため気にならないことがほとんどです [1]。治療は不要です。

粟粒疹(ぞくりゅうしん、ミリア)

鼻や頬に見られる直径1-2mmの白い小さな粒です。新生児の最大40%に見られます [2]。毛穴に角質(ケラチン)が溜まったもので、皮脂腺の発達に伴い自然に消えます。通常は数週間で治るため、何も塗る必要はありません。つぶそうとしないでください。

新生児ざ瘡(にきび)

おでこや頬に赤いブツブツや白いプチプチが現れるもので、新生児の約20%に見られます [3]。お母さんからもらったホルモンの影響で皮脂の分泌が活発になることが原因です。生後2-4週頃に出現し、4ヶ月以内に自然に治ります。

石けんでやさしく洗って清潔を保つだけで十分です。大人のにきび用の洗顔料やクリームは使わないでください。

脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)

頭皮やおでこ、眉毛に黄色っぽい脂っぽいかさぶた(鱗屑)ができます。見た目は気になりますが、かゆみはほとんどなく、ほとんどが生後1年以内に自然に軽快します [3]。

ケアのポイントは、お風呂の前にベビーオイルやワセリンを塗ってかさぶたをふやかし、やさしく洗い流すこと。無理にはがさないでください。

中毒性紅斑(新生児中毒性紅斑)

「中毒性」という名前がついていますが、まったく危険なものではありません。生後1-3日頃に現れる赤い斑点で、中心に小さな白い膨らみがあります。顔、体幹、四肢に散在し、現れては消えてを繰り返します。

正期産児の約30-70%に見られ、通常5-14日で自然に消退します [4]。原因はまだ完全にはわかっていませんが、免疫系の正常な活性化過程と考えられています。治療は不要です。

💡見分けのポイント

新生児期の皮膚所見の多くは一時的なものですが、以下の場合は医師に相談してください。あざが急速に大きくなる、あざの色が濃い青紫色で盛り上がっている(乳児血管腫の可能性)、発疹に膿が溜まっている(感染症の可能性)、水ぶくれができている。

蒙古斑

おしりや背中に見られる青灰色のあざです。日本人の赤ちゃんのほぼ100%に見られます。皮膚の深い層にメラノサイト(色素細胞)が残っているためで、学童期までに徐々に薄くなり、多くは消えます。

四肢や体幹の広い範囲に及ぶ「異所性蒙古斑」は消えにくいことがありますが、健康上の問題はありません。

⚠️注意が必要な皮膚所見

いちご状血管腫(乳児血管腫)は生後1-2週で出現し、急速に増大することがあります。目・鼻・口の周りや大きなものは機能障害のリスクがあるため、早めに皮膚科または小児科を受診してください。

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

入院中の回診で「顔にブツブツがあるんですが大丈夫ですか」「額の赤いのは消えますか」と聞かれることは日常です。写真を見せていただくこともよくあります。新生児室では毎日たくさんの赤ちゃんを診ていますが、どの赤ちゃんにも何かしらの皮膚所見があります。つまり「何もない」ほうが珍しいのです。先日、生後5日の赤ちゃんのお母さんが、中毒性紅斑を見て「アレルギーでしょうか」と心配されていました。「名前は怖いですが、最も普通の新生児の発疹です」とお伝えすると、ほっとした表情をされていました。気になる皮膚所見があったら、退院前でも退院後でもいつでも見せてください。

今号のまとめ

  • サーモンパッチは新生児の30-80%に見られる。顔面は1-2歳で消退、うなじは残ることも [1]
  • 粟粒疹(ミリア)は最大40%の新生児に出現。数週間で自然消退 [2]
  • 新生児ざ瘡は約20%に見られ4ヶ月以内に治る。脂漏性湿疹はかゆみなく1年以内に軽快 [3]
  • 中毒性紅斑は30-70%の新生児に出現。名前は怖いが無害で5-14日で消える [4]

あわせて読みたい

ご質問・ご感想

「こんなこと聞いていいのかな?」というギモンこそ大歓迎です。 外来受診時にお気軽にお声がけいただくか、質問フォームからお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

この記事は役に立ちましたか?

※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

関連記事